老人介護、やはり大家族でないと。。。
認知症の介護は少人数では難しい。
五年前、2008年の秋、一人暮らしをしていたおばあちゃんを何とかごまかして老人マンションに入居させた。「一時しのぎ」の要素が強いが、とりあえず安心した。
入居を嫌がっていたので、脱走しないかという不安はあったのだが。いなくなったら、マンションのスタッフが一緒に探してくれる、そう思うだけでも気がラクになった。
施設ではないので、出入りは自由、誰も監視などしていない。自宅にいる時と条件は同じだが、家族だけでなくマンションのスタッフも探してくれる、そこが違う。
老人マンションに転居させてから、やっと安心して眠れるようになった。一人暮らしの時は気がかりで、毎晩考え事をしてしまい、心配と不安で眠ろうとしても眠れない。
あとでわかったのだが、ストレスだけでなく睡眠不足が喘息の発作を誘発するらしい。二十年もアトピーや花粉症があり、いつかは喘息が出るとは思っていた。
が、こんなに早いとは。七十歳ぐらいを想定していたから、人生の予定が狂ってしまったが、おばあちゃんが認知症になるというのも想定外だったから。
人生、何が起こるかわからない。思ったようにならないのが人生だ。
施設や、「施設のようで施設でない」高齢者住宅に入居できると、家族の不安は半減する。もっと減るかもしれない。あの解放感は格別、何とも表現できない。
今の時代、家族単位の人数が少な過ぎて、認知症老人を介護するには無理がある。四人や五人も兄弟姉妹がいた時代、そういう大家族なら可能だっただろう。
長男長女の夫婦で、親は四人。四人の老人の世話をしているケースだってある。
老人虐待、介護放棄などが頻発して、ひどい社会になっていたかもしれない。介護スタッフの人々がいるから、少人数の家族でも老人を支えていくことができる。
実際、うちのおばあちゃんにとってヘルパーさんは家族同然、たまにしか来ない家族よりも頼りになるから、家族以上の存在とも言える。
認知症では新しいことは覚えられないはずだが、マンションのヘルパーさん達の名前や経歴、出身地まで覚えていて、たまに来る家族に教えてくれたぐらいだ。
頼れる人が何人もいる。大家族に囲まれているような、そんな安心感がある。