認知症には「いつもと同じ」ように
「いつもと同じ」が難しい。
認知症の人は「変化が苦手」だ。ちょっとしたことでも、混乱してパニックになる。普通の人には、こんなことぐらいは、こんな少しのことで、と思うようなことでも。
だから周囲の人が常に同じ態度で接していることが必要だ。それは理解できるし、実行すべきだと思うが、これが容易ではない。介護ロボットではなく、人間だから。
介護するほうにも、体調が悪くて機嫌の悪い日がある。イライラして笑顔など作れず、つっけんどんで投げやりな話し方にもなる。やさしく丁寧に話しかけるべきでも。
わかっていても、できない。その結果が何倍にも何十倍にもなって返ってくるのに。
施設でも訪問介護でも、介護職の人はさすがだ。「いつもと同じ」を実践できているように見える。平常心、どうやって保っているのだろう。難しいだろうに。
認知症の脳では、ささいな変化に対応できないようだ。もちろん個人差はあるが。
「いつもと同じ」は、一見簡単なようだが、それを続けていくことはかなり難しい。