認知症、できるところまで在宅で・・

要介護４以上でないと特養に「はいれない」と巷で言われている。

 

何の根拠で、いったい誰が言い始めたのだろう。いかにもホントらしいので、聞いた人は皆「うちのおばあちゃんは軽度だから無理」とあきらめるに違いない。

 

施設は少なく、待機者は多い。年々「要介護老人」は増えている。不景気で一般の値段の高い老人ホームに入居できず、特養など安い施設に人気が集まる。

 

空きが出ても、介護度の重い人を優先するから、重度つまり要介護４や５でない人は順番が回ってこない。これらから「要介護４以上でないと入居できない」になる。

 

もしそうなら、どこの特養も重度の人ばかり住んでいることになる。そうだろうか。

 

見学に行った所は、元気に歩き回っている人を何人も見かけた。軽度で入所できたという話も聞く。たとえ軽度でも条件的に緊急性が高いと判断される場合はある。

 

一人暮らしとか、老人だけの世帯とか、同居家族が病気や仕事などで世話ができないとか、本人の周りの環境条件も入所判定には考慮されるはずだ。

 

「できるところまで在宅で世話をしよう」と考えている家族の中には、「今は軽度だからどうせ入所できない。要介護４まではガマンしよう」と思う人もいるだろう。

 

ガマンできる範囲かどうか。自分の能力と環境を考えて、可能かどうか。

 

認知症でなかったらそれほど苦労はしない。認知症だったら、要介護１でも２でも３でも、考えられないほどの苦労がある。経験したことのないことばかりだから。

 

うちのおばあちゃんの場合でも、もし認知症でなければ、「寝たきり一歩手前」の状態でもずっとずっと介護がラクだろう。会話ができる、意思疎通ができるなら。

 

「できるところまで在宅で」という気持ちだけでは続かない。