これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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遠距離介護の費用

昨日の朝日新聞で遠距離介護の特集があった。
 
医師や元テレビ局アナウンサーなど、地位も経済力もある人の「介護の苦労話」なので共感するところもあるが、やはり庶民とはちょっと違うなという部分はある。
 
医師は月に一回帰郷して一人暮らしの親(要介護4)の世話をしている。家を離れたくない、施設に行きたくないという気持ちをくんで、在宅介護だ。
 
ヘルパーさんに夜も訪問してもらっているので、介護費用は毎月20万円。内訳は書かれてないが、一割負担だとすると介護保険利用が3万、介護保険外が17万円。
 
やはり家がいいといって在宅介護を選ぶとき、毎月これだけ払うと考えるだろうか。
 
払えない人は家族の誰かが仕事をやめて、「夜間ヘルパー」の奉仕をするわけだ。政府や厚生労働省の勧める「施設から在宅へ」というきれいごとの裏側はこれだ。
 
元アナウンサーの人のほうは、「介護に帰るための交通費でボーナスがとんでしまう」ので、同僚に譲ってもらったアルバイト(結婚式の司会)で補填したという。
 
中小零細企業に勤める庶民には何年もボーナスなどない。特殊技能もないからアルバイトでも稼げない。外食も旅行もせず、新しい服も買わず、節約するだけだ。
 
この人は親の介護のために仕事をやめて故郷に帰ることも考えたという。しかし今の時代、中高年の再就職は難しい。特に首都圏を離れた故郷には仕事がない。
 
親のために、また自分のために「遠距離介護」を選ぶ。お金の問題は残る。