これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の不穏、どう対応する?

認知症の不穏」の原因を考えてみた。
 
原因によって、ほっておいていい場合と即時に対処すべき場合とがある。
病気や病気に起因する脱水などで「せん妄」状態になっていたら、即時対応が必要だ。
 
認知症の人の精神状態は日常的に不安定で、普通ではない。
認知症老人はいつも「あぶない」し、「不気味」だし、「怪しげ」で「危険をはらんだ」状態にあると言える。
 
「不穏」とは、危ない、不気味な、怪しげな、危険をはらんだ、という意味だ。
それなら「いつもいつでも不穏」だ。いつだって一人にすると危険で、何をするか知れない。
 
認知症の人はいつでも不穏なのに、ことさら「不穏」だというのは不適切で、誤った使い方だと思う。
が、便利に使われているようなので、消えることはないだろう。
 
介護用語としては、精神状態や行動が、「いつもと違う」ことを指しているようだ。いつもおかしいのだが、特におかしいとか、違う方面でおかしいとか。
 
老人マンションに入居した直後、おばあちゃんは、たぶん「不穏」だった。認知症の人は環境の変化に弱い。が、しばらくすると慣れてきて落ち着いた。
 
こういう「不穏」は原因が明確で、何の対処もできないから、ほっておいていい。
 
その後、便秘(運動不足や自律神経系の失調で)や虫歯(歯磨きができないから)で、イライラがひどくなり妄想が激化し、攻撃的になった。これも「不穏」だ。
 
ケアマネージャーさんがいちじく浣腸を買ってきてくれた。また訪問歯科を依頼して虫歯を治療した。これによって、ストレスが少なくなり、迷惑行為は減った。
 
こういう身体面の不調が原因の「不穏」は、放置しないで早めに対処すべきだろう。
 
なかでも、失禁や便失禁は要注意だ。
これらが突然起こったら、「とうとうオムツがいるようになったか」と認知症が進んだせいにしてしまう。それだけではないのに。
 
「トイレの場所がわからなくて」という理由なら認知症だが、別の場合もある。
排尿や排便は脳の仕事だから。こんなことまでと思うようなことも脳の働きで成立する。
 
脳神経系のどこかが壊れると、トイレの場所がわかっていても、そこまで歩く能力があっても、失禁や便失禁にいたる。脳梗塞の発作時もそうだったから。
 
ろれつが回らないとか、手がしびれるとかいう、はっきりした症状が出ない脳梗塞がある。
小さな血管が詰まる場合で、俗に隠れ脳梗塞と言われるラク脳梗塞だ。
 
高齢者には日常的にこの隠れ脳梗塞が起きているかもしれない。血管の老化が原因だから、老人なら誰でも。気をつけて見ておくほうがいいだろう。
 
また、精神科系の薬を使っている場合、薬の効きすぎや副作用による「不穏」も考えられる。他の薬、アルツハイマーの薬も同様に。
 
「不穏」だからと一言ですませるか、すませないか。それは場合による。