これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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サ高住は10万戸

サ高住(サービス付き高齢者賃貸住宅)が増えている。
 
国や地方自治体の補助金や税制優遇が始まって、一年半で十万戸が新規登録されている。特養(介護老人福祉施設)などの「いわゆる施設」の新設は少ないのに。
 
「施設介護から在宅介護へ」という風潮の中、特養などの施設はほとんど増えない。そうなると、在宅介護が難しい場合は、すぐ入居できるのはサ高住だけだ。
 
おそろしく入居金の高い、毎月30万円の高級老人ホームなら空きがあっても、庶民の多くは手が出ない。出せても20万円程度、その予算だったら、ここしかない。
 
施設のようで、施設でない。「施設もどき」または「施設まがい」、それがサ高住のイメージだろう。あくまでも住宅だから、政府の勧める「在宅介護」ということにもなる。
 
うちのおばあちゃんが今の老人マンションに入居したころは、サ高住という言葉はなかった。その制度が始まる前だった。他に行く所がなくて「ここしか」なかった。
 
老人ホームではないから、介護度が重くなっていくと不安がある。いつまでここにいられるのだろうか、「もうお世話できません」と言われないか、と。
 
認知症の一人暮らしは無理だった。危険過ぎる。それが入居の理由だ。もし手ごろな値段の老人ホームの空きがあったら、当然そちらに入居しただろう。
 
老人ホームなどの施設を増やさずに、高齢者賃貸住宅ばかりを増やすのはどうかと思う。老人本人やその家族の負担のことは一切考えていないようだ。
 
公費支出をできるだけ減らして、国民の負担を増やす。そんなのが福祉だろうか。
 
特養の待機者は42万人だそうだ。統計のとり方によって出た数字は違うから、単なる目安だが。それを高齢者賃貸住宅を増やすことにより解決するつもりらしい。
 
特養の待機者が全て高齢者賃貸住宅に入りたいかというと、そうでもないのに。