これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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心房細動と認知症の関係

脳梗塞の三割は心房細動によるらしい。
 
不整脈(心房細動)が原因で、心臓内で大きな血栓ができ、脳に運ばれて脳梗塞を起こすことを、心原性脳塞栓というそうだ。うちのおばあちゃんの診断名はこれだ。
 
おばあちゃんは七十歳を超えたころ、動悸や息切れ、めまいなどの自覚症状があって、検査して心房細動と診断された。それ以後、脳梗塞の予防薬を服用している。
 
ワーファリンという、血液凝固を抑制して、血栓ができないようにする薬だ。十年間かかさず飲んでいる。それでも、何回も脳梗塞の発作が起きた。
 
心房細動は不整脈の一種で、七十代で5%、八十代の老人では10%だそうだ。
 
原因は加齢のほかに高血圧、拡張型心筋症や心肥大等の心疾患、また、飲酒や喫煙、過労、ストレス、そして暴飲暴食、睡眠不足など不規則な生活も。
 
おばあちゃんの場合は、高血圧とストレスだ。当時、家のすぐ横で高層マンションの新築工事中で、騒音とホコリと悪臭と、工事車両の排気ガスに耐えていたから。
 
このストレスで血圧は上がり、心房細動が起き、脳梗塞の発作に至った。
 
脳梗塞の発作がなければ、こんなに若くから認知症にならなかっただろう。八十歳ぐらいからアルツハイマーの心配をしているだけでよかったはずだ。
 
脳梗塞の原因となった心房細動、その心房細動の原因となった高血圧とストレス、これがおばあちゃんを認知症にしてしまったということだ。
 
認知症に至るまでの過程を簡単に示すとこうなる。
 
高血圧(40歳) → 降圧剤、減塩食 → 老化+ストレス(70歳) → 心房細動
 
→ ワーファリン、降圧剤 → 脳梗塞発作(72歳) → 認知症(77歳)
 
脳梗塞を起こした老人の何割が認知症になるのだろう。かなりの比率になると思う。
 
残念なことに、おばあちゃんの主治医はそれについては一言もなかったから、脳梗塞の再発に備えてはいたが、認知症の予防などは当時全く考慮していなかった。
 
脳梗塞などの脳血管障害と、脳血管型認知症の発症とは深いかかわりがある。発症後も同様で、脳梗塞の再発の度に認知症が進行し、介護度が重度になっていく。
 
認知症という哀れな老後をもたらしたのは、高血圧だった。長い間、降圧剤を飲んでいたのだが、意味がなかったのだろうか。
 
参考: 「心房細動があると認知症になりやすい」 という記事がありました。