これが認知症なんだ （３６３） 効率化は

＜That's Ninchi Show  No.363 ＞

 

食堂が近いのは、いいことだろうか。

 

おばあちゃんの老人マンションは一階の食堂しかないから、各階からエレベーターで移動するため時間がかかる。老人は皆、動作が遅いし、歩行困難があるので。

 

七階や八階で乗られて満員になってしまうこともある。ただし、夕食は六時と決まっているのではなく、六時半でもいい。一時間半の猶予があって、好きな時に行ける。

 

それで少々エレベーター待ちに時間をとられても問題はない。が、年寄りはそんなことも文句を言う。時間はいっぱいあるのに。老人は「待つ」ということができない。

 

いろいろ調べていると、いくつかの老人マンションは各階に食堂があり、食事時間以外の時は、「みんなのリビング」として使えるらしい。雑談したり、お茶したり。

 

これなら、食事ラッシュがなく、エレベーター待ちもなく、「待つ」ことのできない老人が怒り出すこともないし、近いから移動がラクだ。介護時間も短縮できる。

 

介護の効率化を考えたら、これだろう。ただ問題が一つある。うちのおばあちゃんのように、食堂とトイレ以外は歩くことのない場合、移動距離の短縮はどうだろう。

 

遠い食堂までの移動が、毎日の歩行リハビリになっている。短縮されたら、リハビリとしての効果が薄れる。ヘルパーさんの介護時間は短縮されるのだが。

 

介護の効率化は難しい。