これが認知症なんだ (359) 新人拒否
<That's Ninchi Show No.359 >
先週のトイレ拒否は「新人拒否」だったようだ。
今週もトイレ介助に男性のヘルパーさんが来てくれた。今度は四十歳ぐらいの人だ。今まではずっと女性だった、それも若くない、ベテランといった感じの。
おばあちゃんの老人マンションは部屋数が多いから、訪問介護を依頼している入居者も多い。百人ぐらいかもしれない。よって、ヘルパーさんも相当数必要だ。
以前は何人か担当者が決まっていて、おばあちゃんもなじんで仲良くなった人もいた。が、この業界は離職率が高く、一年もせずに辞職してしまい、寂しそうだった。
今は何十人かが日替わりで担当してくれている。一日のうちでも、朝、昼、夕、夜間と担当者が交代し、誰が来てくれるのかは決まっていないようだ。
先週、若い男性の「新人研修」らしき人がトイレ介助に来てくれたときは、おばあちゃんは「帰って下さい」と介護拒否した。トイレ介助の拒否は珍しい。
もともと神経質できれい好きだから、紙おむつが少しでも汚れたら嫌な人だ。トイレ介助を拒否する理由はない。男性だから、という理由なのかどうか不明だ。
また男性だったので、前回と同じく拒否するかと心配していたが、今回は普通に介助してもらい、「ありがとう」とお礼まで言っていた。この差はどこにあるのだろう。
やはり「新人だから」「慣れていないように見えたから」、それで不安だったのだろう。認知症老人の介護に一番必要なものは、「安心感」だから。
安心できないから、不安だから介護を拒否する。それが理由なら、自信がなくても自信のあるふりをする、そのワザを習得していれば問題はない。若い人であっても。
それにしても、「新人研修」で「介護拒否」、それも暴力的抵抗をする肥満体の認知症老人を担当させるとは、ちょっと新人さんがかわいそうではないかと思う。
これに懲りて「こんな仕事は無理」と思わなければいいが。