これが認知症なんだ （３５８） 質問は酷？

＜That's Ninchi Show  No.358 ＞

 

認知症の人には、レベルによっては「この人、誰？」も難問だろう。

 

記憶したデータを引き出す能力がないと、簡単な質問でもテストのように難しいものに感じているかもしれない。それなら質問攻めは拷問のようになってしまうが。

 

おばあちゃんは最近ひどく言語能力が低下している。双方向の会話が成立しないことがほとんどだ。挨拶や一語や二語の短い会話なら問題はないが。

 

一週間に一度しか見に行けないので、つい毎回、質問してしまう。どの程度わかっているのか、言語能力がどれぐらいか知りたくて。

 

家族の写真を見せて、「この人、誰？」と質問すると、しばらく無言で考えている。わからないときもあれば、わかっても名前が違うときもある。

 

記憶の中にある家族、息子夫婦、娘夫婦、孫たち、孫のお嫁さんと「ひ孫」、それら十数人の名前と、顔とが一致しない。息子を指して、孫の名前を言うことがある。

 

ただ、家族関係はしっかり覚えていて、誰が誰だかわからないという程度にはなっていない。娘は娘、嫁とまちがえることはない。名前を思い出せないだけで。

 

家族の名前が思い出せないとわかって、本人はどんな気持ちなのだろう。本人の身になって考えたことがなかったから、平気で何回も質問を繰り返していたが。

 

答えるのが難しいことを毎回質問されるのは嫌なことなのかもしれない。もっとラクに答えられるような質問をしたほうがいいような気がしている。