「いいかげん」な介護
「腹八分目が健康にいい」というが、介護も八割でいいのでは。
できるだけのことをしたい、という気持ちがある。自分さえガマンすればいい、周囲に迷惑をかけられない、という責任感もある。が、個人ができることはしれている。
自分の能力の限度、周囲の協力などの環境条件、その他の条件で思うようにはいかないものだ。すべてにおいて、理想と現実には大きなへだたりがある。
老人の介護は八割とか六割とかでいい。余力を残して長距離の完走をめざす。その残りの何割かが、心の余裕となる。余裕があればストレスにも勝てる。
介護は力を抜いて、加減して余力を残すことが大切だ。長期間のことだから。
まじめで努力家、責任感が強く、完全主義。そういう人ほど加減ができず、がんばり過ぎて介護ストレスを増やし、心身症やウツになりやすい。
「ええ加減にせえよ(いいかげんにしろ)」と自分に言い聞かせよう。「いいかげん」に、「適当に」というと、悪いイメージしかないが、本来は違う。それでいい。
肩の力を抜いて「いいかげん」にがんばる、無理をしないで。