これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (352) 傾聴

<That's Ninchi Show  No.352 >
 
傾聴、話をしっかり聞いてあげることだろう
 
この数年、近所にいくつも老人施設ができた。歩いて10分以内に、デイサービス、特養(デイ付き)、小規模多機能、住宅型高級老人ホーム、ケアハウスがある。
 
「うちのおばあちゃんも・・・」と思うのだが、この千里ニュータウンという地域は開発初期(60年代)に入居した人がそのまま年寄りになり、高齢化が進んでいる。
 
古い5階建てを高層に建て替える工事が三年ぐらい前から始まり、建て替えられた地域には若い人がいるが、昔のままの地域は高齢者が三割を超えるところもある。
 
いくら老人施設ができても、この巨大なオールドタウンの高齢住人の総数からすると、全然足らないだろう。普通の建て替えでなく、老人に配慮して建て替えるべきだ。
 
その一つの施設がボランティアを募集している。「随時募集」として、「シーツ交換、傾聴、見守り、将棋、マージャン、楽器演奏など」と書いてあった。
 
将棋やマージャンで遊ぶ、まだそんなことができるお年寄りもいるようだ。対戦相手がいないと退屈なのだろう。ゲームは脳と手を使うから認知症の予防にもなる。
 
今の時代、ゲーム機やネット対戦もある。パソコンだけでなく携帯やタブレット端末でも将棋は指せる。が、お年寄りにそんな新しい方法は難しいかもしれない。
 
マージャンは知らないし、将棋は駒の並べ方と進み方ぐらいだし、楽器演奏もできない。シーツ交換ならできるが、ホコリを吸うと喘息発作が出るおそれがある。
 
できるのは傾聴と見守りだけのようだ。余裕ができたら行ってみようと思う。傾聴なら、ただ老人の話を聞いて「ふん、ふーん」とうなづいていればいいだろう。
 
喘息というのは実にやっかいなもので、息をするのが苦しいということは「話す」のも苦しい。のどを使うから。耳の遠い老人に大声でしゃべるなど無理だ。
 
老人は誰かに話を聞いてもらいたいだけで、特に誰かの意見をもとめているわけではないだろう。ただ聞く、それだけで満足してくれると思う。
 
何十人もが一緒に住んでいても、老人施設では話を聞いてくれる人がいない。職員が何人いても、忙しくてそこまでまわらない。寂しい老後だ。