慣れると介護ストレスはない?
慣れると何でもないことなのだろうか。
認知症の人の言うことは変だ。することも異常だ。最初は、何も知らないときはその異常さに驚く。話に聞いていた以上に「おかしい」し、あり得ないし、考えられない。
身内がそんなことになって、かなしいやら、なさけないやら、複雑な気持ちになる。
認知症とつきあって何年か経つと、慣れる。おかしいのが日常になるから。異常な精神状態や行動が日常茶飯事になり、見慣れた「いつもの光景」になる。
どんなに異常でもいちいち驚いたり、悲しんだりはしなくなる。いつものことだから。
しかし、認知症とかかわりのない人から見たら、やはり異常だ。そんな日常などあり得ない。異常を見て見ぬふりをして、こんなこと何でもないとやり過ごす日常など。
異常な世界にどっぷり浸かっていたら、普通の人はこれをストレスと感じるだろう。
認知症に慣れてもストレスはある。慣れるとストレスがなくなるわけではない。驚きや悲しみを押し殺しているだけで心の中には年々それらがたまっていく。
たまりにたまった介護ストレスに押しつぶされないように、うまくかわすことだ。逃げる方法を考えて。