これは認知症なんだ (343)徘徊の理由
<That's Ninchi Show No.343 >
徘徊するには必ず理由がある。
徘徊だけでなく、認知症の異常行動(BPSD)には全て理由があると思う。根拠となるもの、原因となるものがある。ただ、周囲の人には何だかわからないだけで。
わからないし、理解できないのはそれが妄想だから。普通の人には何も見えていないし、聞こえもしないが、認知症老人には事実であり真実だから。
妄想が起こらなければ、徘徊などの異常行動がなくなる。不安感が妄想を作るらしいから、不安をなくせばいい。
しかし、一人暮らしの場合、「一人でいることの不安」は解消できない。「施設に行きたくない」と本人がこだわれば、解決方法がない。
誰かが24時間ぴったり専属で見守ることなど、十人以上の大家族でもない限り無理だろう。家族ひとりひとりの生活、人生があるのだから。
地域ぐるみで、ご近所がみんな「家族同然に見守ってくれる」なら可能になる。そういう昔ながらのご近所があり、地域の絆が固い、そんな場合に限られるだろう。
現代社会が失ったものは大きい。これをとり戻すのは難しいと思う。