これが認知症なんだ (337) 入居は発病前に
<That's Ninchi Show No.337 >
「もし・・していたら、・・していれば」と思うことは多い。
そういう「たら、れば」という「後ろ向きの考え」は捨てるほうがいいし、「前向きに」考え、ネガティブでなくポジティブでいくべきだとは思う。そうでないと前に進めない。
ただ、あとに続く人達のことを考えると、「失敗例」として「たら、れば」を生かすことができるかもしれない。同じ轍を踏むことのないように、伝えるべきだろう。
うちのおばあちゃんは神戸の大地震の年から一人暮らしを始めた。今から思えば、一人暮らしをするのなら、この時から、最初から老人マンションに住めばよかった。
その時は六十五歳、脳梗塞にもなっておらず、歩行困難もなく、元気でどこへでも一人で行けた。老人マンションのクラブ活動にも参加できただろう、今と違って。
手先の器用な人で、プロ並の編み物の腕前があったから、クラブ活動では講師にもなれただろう。少なくとも同じマンションに住む友人は何人かできたはずだ。
老人はなぜか認知症老人を嫌う。伝染病ではないのに、近寄らないし、話もしない。
「娘や息子の家で遠慮して暮らすのは嫌だから、いずれは老人ホームに行く」と本人は言っていた。どうせなら早めに老人マンションに転居すればよかったと思う。
「いずれは・・」と考えているなら、いたずらに一人暮らしを長びかせないほうがいい。
一人で家に閉じこもって誰ともしゃべらないでいると、認知症の発症リスクが高くなる。また、早いほうが、少しでも若いうちのほうが、新しい環境に慣れやすい。