これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (327) アポトーシス

<That's Ninchi Show  No.327 >
 
認知症アポトーシス(細胞の自然死)は関係が深い。
 
認知症の発症メカニズムを見ると、アルツハイマー型でも脳血管型でも、原因と経過は異なるが、結果的に両方とも脳細胞のアポトーシスに至って発症する。
 
細胞死には、アポトーシスネクローシス、アポビオーシスの三種類がある。アポトーシスとは、個体の生存に不利益な細胞の自死のことだ。
 
生存に不利になると自滅するように、個々の細胞にはあらかじめ「自滅」酵素が用意されていて、それが遺伝子を切り刻んで、細胞を消滅させるらしい。
 
できの悪い細胞や、放射線などで異常が起きた細胞はこのしくみで排除される。生存のためには必要なシステムだが、バクテリアにはアポトーシスはない。
 
アルツハイマー認知症は、脳内に異常な蛋白質”アミロイドベータ”が蓄積して、それが脳神経細胞アポトーシスをひきおこすそうだ。
 
脳血管型認知症は、脳細胞の血流不全により、個々の細胞に栄養や酸素の供給ができず、変質劣化し、自滅酵素が働いてアポトーシスに至るらしい。
 
脳梗塞発作でも血流不全により脳細胞が壊れるが、これはアポトーシスでなく、ネクローシス(壊死)だそうだ。一瞬で、瞬間的に死滅することをいう。
 
ネクローシスはたとえて言えば、自爆死。まわりの人が巻き込まれるのと同様に、破壊された細胞のパーツが飛び散って、周囲の正常細胞まで壊してしまう。
 
これに対してアポトーシスは服毒自殺のようなもので、周囲に被害はない。細胞核が切断され、細胞が縮むようにして消える。
お掃除係の細胞(マクロファージ)によって処理され消える。
 
認知症だと周囲に迷惑をかけながら一生を終えるのだが、その脳内は周囲に迷惑をかけない自滅(アポトーシス)が起きているとは、皮肉なものだ。
 
パーキンソン病も、ドーパミンアポトーシスが原因の一つらしい。
パーキンソン病認知症に進行しやすい。
認知症と二重苦の老人も多いことだろう。
 
悪の根源のアミロイドベータが自動的に消滅したらいいのだが、それができていたら認知症は発症していないわけで。
働きが正常ならばアミロイドベータは蓄積しない。
 
必要なものが消え、不必要なものが次々と増える。
脳細胞がアミロイドベータに置き換わっているかのようだ。
何でそんなひどいことになるのだろう。
 
進んでいってアミロイドベータに占領されてしまったら、おばあちゃんでなくてベータちゃんだ。
認知症老人は異次元人だの宇宙人だのと呼ばれることがあるが。
 
なぜアミロイドベータが蓄積するか、その原因は今のところ不明だそうだ。