これが認知症なんだ (326) 一人がいいタイプ
<That's Ninchi Show No.326 >
認知症は型によって症状や経過が違う。それにあわせて対応も違ってくる。
認知症は、運動機能が保持されている「てくてく型」と、運動障害が早くから出てくる「よろよろ型」がある。身体機能、運動能力という点ではっきり分けられる。
そして、明るい人の多いアルツハイマー型に対して、暗い、ウツ傾向の人が多い脳血管型というようにも分かれている。心理面、精神面でも型による違いがある。
この場合、発症前の性格は関係がない。発症前に明るい人でも信じられないように暗くなり、口数の少ない静かな人が別人のように明るくなる。それが認知症だ。
この他に、レビー小体型認知症があるが、これは「よろよろ型」でウツ傾向とみていいだろう。脳血管型と似ているところが多い。
レビー小体型は、レビー小体(パーキンソン病患者の中脳にたまる)が大脳皮質にたまっていることからこの名前がついたようだ。
特徴は、パーキンソン型の歩行障害(すり足でちょこちょこ歩く)、幻視、自律神経系障害(便秘、失禁、起立性低血圧など)ということだ。
早期から運動障害が出て、転倒骨折の危険が多く、寝たきりになりやすいという点はレビー小体型も脳血管型も共通だろう。
このタイプは障害を気にして、ひとと関わりたくないという気持ちが強く、施設内でも孤立しやすいらしい。集団での対応でなく、個人別対応が必要だそうだ。
老人が施設になじめないとか、デイサービスが嫌だとかいう理由のいくつかは、そういうことがあるのかもしれない。集団の中にいたくない、一人がいいタイプがある。
うちのおばあちゃんの老人マンションでも、クラブ活動やカラオケの会があり、映画会、体操、音楽会などの催しも毎月ある。みなさん楽しんでいるように見える。
おばあちゃんはどんなに勧めても参加しようとしなかった。ひっぱって行っても途中で「帰る。帰る」と言い出す。理由がわからなかったが、そういうことだったんだ。
うちのおばあちゃんのように混合型の場合はどうするのかという疑問は残る。
参考: 脳血管型の対応について、詳しくは、こちらへ