これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (288) ご近所

<That's Ninchi Show  No.288 >
 
認知症老人の一人暮らし、心配は尽きない。
 
認知症が出るまでは老人一人で不自由なく暮らせる。週に一回とか、二回のヘルパーさんの訪問があれば、なおのことだ。遠くに住んでいる息子や娘に頼らずとも。
 
ところが、認知症が出るといろんなことができなくなり、記憶障害のせいで問題も起きてくる。「言った、言わない」ということで、ご近所とトラブルにもなる。
 
たとえば、こうだ。隣家が新しくエアコンを付ける際、事前に「この位置に付けますよ」と言ってあったが、老人は「何も聞いていない」と言って怒り出す。
 
認知症だから、何日も前のことはきれいさっぱり忘れていて、「こんなに接近した位置に室外機を置かれて迷惑だ、うるさくて眠れない」と文句をつけ、大騒ぎになる。
 
ご近所には早めに「認知症だ」と知らせておく必要がある。家族としては、あまり言いたくないが。ご近所の人も認知症だと知っていればそれなりの対応をしてくれる。
 
認知症の初期は、「まだらボケ」というか、正常な日も多いので、たまにしか会っていない人は認知症だとは気がつかない。ご近所も親しい人以外は気づかないから、正常だと思って普通に対応していると、上記のようなトラブルになったりもする。
 
少し認知症が進んで、徘徊が始まった時はご近所だけが頼りだ。ご近所に早めに知らせて、よく頼んでおくと、「駅前でおばあちゃんを見かけたよ」などと連絡してもらえる。(前もって所轄の警察へ届けておくと、保護できた場合は連絡してくれる。)
 
ゴミ出しの問題もある。ちゃんと指定場所に決まった曜日に、分別して出せるかというと、認知症の場合はどうだろう。できる人は少ないのでは。出せずに家の中にゴミをためているか、好きな時に好きな場所に捨ててしまうか、何をするかわからない。
 
ヘルパーさんはゴミを分別して袋に入れてくれるが、捨ててはくれない。うちのおばあちゃんは、いつの頃からかご近所の人が代わりに捨ててくれていた。
 
認知症老人の一人暮らしは問題が多い。しかし、施設入所が難しいから、入所先が決まるまで一人暮らしを続けねばならない。ひきとってくれる家族がいれば別だが。いても、老人がそんな遠い所に引越ししたくないと言えばどうしようもない。
 
ご近所にとっては、さぞ迷惑なことだろう。さっさと施設に入れてほしいと言いたいところをガマンして、支え続けて。ご近所は大事にしないといけない。
                                       (2012年8月)