老人の漂流
胃ろうでは「難民」になり、家族がいないと「漂流」する。
昨日たまたま見たテレビで、また介護の問題点をとりあげていた。介護が必要になっても、どこへも行くあてのない老人が少なくないということだ。
終の棲家がなく、施設を転々とすることを「漂流」と呼んでいた。
有料老人ホームに入居するだけのおカネがなく、家族がいないから自宅での在宅介護もできない。こういう場合、昔は病院に長期入院していた。社会的入院という。
今はそれができず、退院させられ、施設に行くことになる。が、施設はどこも待機者が山のようになっていて、何年も待たないと入所できない。
そこで、いろんな施設での短期入所、ショートステイを繰り返す。これを「漂流」と言うらしい。その間に行き先をみつけるというわけだ。
おカネがあるか、もしくは家族による無償の介護があるか、この二つだ。そのどちらもない場合は今の時代は長生きしてはいけないようだ。悲しいことにそれが現実だ。