これが認知症なんだ (228) 急変とは
<That's Ninchi Show No.228 >
医療や介護の専門用語、家族はどれだけ理解できているのだろう。
医師や介護士さんから、病状などの説明を受けるとき、家族は初めて耳にするような、知らない専門用語が頻出する。それらをわかっているものとして伝えられることが多い。前にも書いたように、「意識レベル」とか、「不穏」とか、「急変」などだ。
はっきり意味がつかめていないながら、たずねる余裕もなく、そのままにしていることもある。「急変」については、対応の選択を迫られたので、その定義を質問した。介護の現場では誰も皆忙しいのに「わかりきった質問で」申し訳ないと思いながらも。
救急病院に移送するか、施設での看取りにするかという、二者択一だった。では、危篤に近い状況ということだろうか。しかし、高齢では軽い風邪でも肺炎になり、いつも「覚悟してください」と言われる。その時も、急に病状が変化しているが、これはどうなのだろう。
急変の定義がよくわからない。医師には聞きにくいので、看護師さんの手の空いてるときにたずねてみた。異常に高い熱が出るとか、呼吸数や心拍数などが異常な数値に達したときを「急変」と言うらしい。
説明されてもよくわからないが、「危篤」の手前であっても、救急病院の処置により「延命」できる場合もある、そう理解したが、これで正しいのだろうか。しかし、高齢では「たすかる」可能性は低いだろう。家族で相談して、「看取り」を選択した。
「不穏」については、まだ理解できていない。聞き流してしまっている。文字からして、ゴソゴソ動き回るとか、いらいらして落ち着きがないとか、そういうような心が不安定な状態を指すのではないかと、勝手な解釈をしたままだ。
「せん妄」状態のときに「不穏」になるらしい。「せん妄」とは何かと、ネットで調べたらそういう説明があった。そこで「不穏とは」を調べればいいのだが、まだそのままだ。
「認知症家族」としては、ある程度の専門用語の知識を自学自習すべきだろう。病状の説明を受けても、わからないでは次に進めない。治療の方針を選ぶのは、家族しかいないのだから。「医師におまかせ」はできないのだから。
(2012年6月)