これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (227) 家族の会

<That's Ninchi Show  No.227 >
 
施設には、「家族会」がある所もある。まるで学校の保護者会のように。
 
特養(介護老人福祉施設)の申込をして、費用の説明を受けたら、毎月「家族会費」という項目があった。千円ほどかかるが、家族会のいろんな活動によって、入所者の生活が豊かになっているらしい。恒例の、お花見や遠足や夏祭りなどだろう。
 
その様子を写真で見ると、地域の人達の協力や、「家族の力」がないと、施設の力だけでは何もできないということがわかる。病気にならないように世話をして「生活させる」だけでも大変だから、「楽しませる」ところまでは施設には要求できない。
 
PTAの役員などの保護者が、小学校の運動会のお手伝いをしていたのと同じだ。また、人口の少ない地域では保護者の人数も足りず、保護者以外の地域住民がボランティアで運動会を手伝っている。教育も介護も、「人」、人々の力で成り立っている。
 
認知症老人の家族」という共通点を持つ家族が、定期的に顔を合わせて交流するのはいいことだろう。認知症家族会という組織はあるらしいが、そういうのに参加しようとはなかなか思わない。誰にも相談できず、孤独な、たった一人の介護も多い。
 
施設が積極的に家族の力を引き出そうとし、施設に足を運ばせようとするのは意味がある。施設に入れてしまったらそれまで、「すべておまかせ」で放置するようなこともあるからだ。それではまるで「姥捨て」ではないか。
 
また、いろんな行事を地域住民に開放し、ときには協力してもらって開催していくのもいいことだ。施設が地域から閉ざされた「孤立」状態にならないために。孤立していたら、それこそ「姥捨て山」だ。どんな人がいるのか誰も知らない、そんな施設は。
 
施設は病院ではないのだから、普通にいろんな人が出たり入ったりするのがいい。そうなれば施設に入所するのが「特別なこと」ではなくなる。自宅のような感じで入所できるだろう。「入所拒否」が減るかもしれない。
 
介護施設と言えばすなわち「養老院」だという、悪いイメージを多くのお年寄りが持っているようだ。「養老院」というイメージが消えればいいと思う。施設を「姥捨て山」にしないように、家族も地域社会も積極的に支援していくべきだろう。
                                      (2012年6月)