これが認知症なんだ （２２６） おむつ その２

＜That's Ninchi Show  No.226 ＞

 

「おむつ」を買いに行く。最初はどれがいいのかさっぱり見当がつかない。

 

赤ちゃん用しか買ったことがない。赤ちゃん用は体重や月齢（生後何ヶ月という）や年齢が商品に明示されている。ところが、大人用は違う。Ｍ、Ｌ といったアバウトなサイズ表示だけだ。これだと、どれがうちのおばあちゃんのサイズなのか迷う。

 

それも男女別だけでなく、男女共用というのもある。男と女ではいくら老人といってもサイズは違うのでは？おばあさんのほうがやはり小さいだろう。買って帰ってはかせてみないと店頭では決まりそうにない。

 

少量、一枚づつのお試し用でもあればいいが、どれも大袋だ。見本はぶら下げてあるが、手にとって見てもわからない。困ってしまい、レジに持って行って聞いてみた。「体重が６５ｋｇ超えていて、ウエストは７５ｃｍ以上、ＬＬサイズのおばあさんなんですけど・・」

 

実はＬＬサイズでは小さくて、ズボンは今では「３Ｌ 」でないときつい。ＬＬサイズは窮屈だと言って、ゴムを切ったり伸ばしたり工夫をしてやっとはける。老人マンションの食事がおいしいから、よく食べるし、動かないで寝てばかりで太ってしまった。

 

男女共用の「Ｍ」でいいのかどうか、よくわからない。値下げしてあって、お得なのは男女共用の大袋だったから、それで試してみるかと。ドラッグストアのレジの人は中年の男性だったが、「それでいいと思いますよ」との返事だった。

 

ウエストはゴムのようなシャーリングになっていて伸びるから少々の誤差は問題ないのだろう。少し太い場合は。問題は大きすぎてぶかぶかで「隙間」ができて尿が漏れないかということだ。歩かないから太ももの筋肉は落ちている。以前より細くなっているかもしれない。

 

大人用は高い。そのために「尿とりパッド」が売られているのだろう。オムツと併用して、パッドだけを交換すれば、オムツは一日中交換しないですむ。オムツは一日に一個、パッドは最高五個ぐらい使用するという計算で買ってみることにした。

 

「このオムツに、このパッドでいいのでしょうか」とまたレジの人に聞いて買って帰った。だいじょうぶかなと思いながら。うまいことに、サイズの問題はなく、むだにならないですんだ。返品できないから。使ってくださいとさしあげるところもない。

 

「初めてのオムツ購入」は簡単ではない。赤ちゃんのオムツを買ったことがないような人、「認知症家族」でも男性の場合は、もっと買いにくいかもしれない。

 

そのせいかネット販売が好調だそうだ。詳しく商品説明がしてあり、値段も安い。また、かさばるから宅配してくれると便利だから。

 

薬局やドラッグストア、スーパーやホームセンターなど、オムツを売っている店は多いが、説明を十分にしてくれるかというと、そこまでの商品知識のあるスタッフがいる店は限られる。「介護ならここ、ここに行けば」という店が近くにあればいいのだが。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２０１２年６月）