寒波のせいで
この数日、ひどい寒さだ。手袋をしていても手がかじかむ。
夕方、左手に食料品の入った買い物袋を持って、右手で家の玄関ドアの鍵を開けようとしたら、鍵穴に鍵がうまく入らない。寒いから早く家に入りたいとあせる。
日暮れが早く、暗くてはっきり見えない。門灯は自動でつくタイプではなく、この日は隣家も留守で真っ暗、マンションの廊下の電灯は5時に点灯するが、4時50分ごろだったから、金属のドアノブがかすかにわかる程度だ。
鍵穴のあたりを触って確認し、このあたりと見当をつけ、鍵を差し込むのだが、手が冷え切っていて思うように動かず、鍵穴にはまらない。
何回も失敗して、この鍵ではないんだと思い、同じキーホルダーのもう一つの鍵(オートロックの鍵)を試してみるが、当然これでは鍵穴に入らなかった。
うちのおばあちゃんが鍵を開けられなくなったとき、何でこんな簡単なことができないのだろうと思ったが、目が悪く、手が不自由だと簡単ではないとわかった。
寒波のおかげで、高齢者の気持ちがわかった。玄関の鍵は防犯のために複数つける時代だが、高齢者には一つでないと。それも、同じキーホルダーに勝手口の鍵などと一緒にせず、一つだけ単独で持つことだ。
おばあちゃんのキーホルダーには三つか四つは鍵が付けてあったから、どれがどれだかも混乱してわからなかっただろう。配慮すべきだったと、今さらながら思う。