これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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個別対応の効果

個別対応をどこまで
 
昨日たまたまテレビで、「発達障害の子供のスポーツ教室」と「認知症老人のリハビリに自分史」というのを見たのだが、どちらも脳の機能障害という点で関連性があり、とても参考になった。
 
共通点は個別対応により成果が出るということだ。
 
スポーツ教室は完全に個人授業で個人別のプログラム(運動の種類や難度)になっており、子供たちは集団での授業では得られなかった達成感を得て、満足そうに帰っていく。
 
もちろん途中でやる気がなくなって床に寝転んでいる子もいる。こうしなければならないという意識が持てない発達障害の子供と、認知症老人の姿が同じに見えてしまった。自分のためになることでもやろうとしない、そこが同じだ。
 
「この子はこうすればできる」というメニューを用意し、自ら選ばせ(これが重要、強制でないことが)、コーチが障害の程度にあわせた方法で教えて、「できた」という達成感を得る。一つ達成感があれば、また次の段階に挑戦する意欲が出る。
 
メニューは写真やイラストになっていて、文字が苦手、読めないという機能障害の子供に配慮してあった。老人施設でもこういう方法を採用してくれると有難い。認知症老人も字が読めなくなるときが来るから。
 
「自分史」のほうは、老人施設のデイサービスで「回想療法」として作業療法士(OT)一人、介護職員一人のチームで行われていた。個人別ではなく、グループ別で、五人ほどの老人を集めて、決まっているテーマで思い出話をする。
 
「昔の遊び」とか、「自慢できること」とかだ。一人一人の話した内容をボランティアの人が書きとって、個人別にまとめる。何回か続けるうちに一冊の自分史ができるということだった。
 
完全な個人別対応ではないが、結果的には個人別にできていて、効果があるらしい。その自分史をもとに家族やデイサービス職員と会話が進むようになったそうだ。
それまでは二語文しか言わず、家族との会話もつながらなかった老人でも。
 
脳は生まれつき個人個人違うから、脳の機能障害というのも、個人個人違っているのが当然だ。それを「認知症」という大きな枠で一つにしてしまうのは無理な話だ。
 
認知症のリハビリは「完全な個人別対応をして初めて効果が期待できる」のでは?と思うようになった。「自分史」を作ってくれるような熱心なデイサービスがどこにでもあるのならいいが。