これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (128) 待機者の選抜

<That's Ninchi Show  No.128 >
 
入所待機者が多い施設は、待機者すら選抜される。はずれると待機もできない。
 
特養(特別養護老人ホーム)に申し込みをして、もう半年が過ぎた。半年ぐらいで入所できることもある、そう聞いていた。が、そんな人はよほど運がいいか、何か手だてがあったかだろう。
 
需要に対して供給量が少な過ぎるから、無理な話だ。
 
「特養に半年で入る方法」を聞いたことがある。都市部の施設は満員でも、郡部は比較的まだ余裕があるから、郡部のグループホームに入所する。
 
そこで自宅の近くの特養に行って、「わざわざ住民票を移動して自宅から遠い施設にいるから、何とか早く入所させてほしい」と泣き落としで交渉する。
 
そこまでする人がいたら、普通に待っていても順番は来ない。
 
順番でなく、施設側の都合で「この人」と決められる。施設の職員の関係者でもない限り、何年も何年も待つことになる。九十歳を過ぎたら、あの世に行くほうが早いのではないか。
 
三ヶ所、特養に申し込みをして待機中だ。二つは見学もせず、郵送で申し込みができた。あと一つは、どうしても家族が面談に来るようにと、そこで申し込みを受け付けるという。時間をとって現地に行ったら、話が違った。
 
そこで書かされたのは、「(仮)入所申し込み書」だった。わざわざ行って「仮」だ。
 
毎週金曜日に会議をして、入所可能と決まったら、正式な入所申し込み書を送って来てくれるという。ということは、この施設には合わないと判断されて、入所申し込みすらできない人もいることになる。 
 
東大や京大の入試では一次試験の点数によっては二次試験を受験させてもらえないが、これと同じだ。特養も狭き門だ。
 
入所待機すら選抜がある。ここまでとは思わなかった。
 
特養に入ろうなどと「夢」のようなことは考えないほうが現実的、合理的だ。わざわざ申し込みに行って、時間と労力の浪費だった。誰もが長生きする時代、簡単に空きは出ない。
 
これからは、老人の行く先は老人マンションしかないような気がする。在宅介護と施設介護の中間で、融通もきくし、個別対応ができる。
 
費用の問題だけが残るが、供給が増えれば、安くもなるだろう。特養の個室ぐらいにまで、安くなってほしい。一ヶ月、医療費やおしめ代を除いて、十五万円ぐらいに。
 
                                  (2012年2月)