これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (127) 入所面接

<That's Ninchi Show  No.127 >
 
病院から施設へ移る前に、本人の面接がある。
 
老健(介護老人保健施設)に入所申し込み書を送ってから二ヶ月、まったく連絡がない。入所はいつになるのか聞くべきかと思っていたころ、施設の相談員さんから電話があった。病院に行って本人に話を聞きたいと。
 
空きが出たのかと聞くと、「長期入院になりそうな入居者さんがいるので」という返事だった。施設はどこも「入院だと退所」のようだ。老人マンションと違って。
 
「本人面接」については、病院のメディカルワーカーさんからも知らされていなかった。何の準備もしていない。そんな手順で入所が決まるとは。これで「不合格」になったらどうする? 「うちではお世話できかねます。」とでも言われたら。
 
もう一つ問題がある。おばあちゃんは「退院したら家に帰る」と思っているだろう。施設に申し込みをしたことも知らない。突然、「施設の相談員さんです」と紹介したら、どうなることか。いそいで、メディカルワーカーさんに連絡して相談した。
 
「今、家に帰っても、歩けないから困るでしょう。その前に、歩く練習をする、そのリハビリ施設の人です。」と言ってみるというのが、メディカルワーカーさんの意見だ。
 
なるほど、さすが、プロ、若いのによく考えつくものだ。これに同意し、前もっておばあちゃんに話をしておいてもらうことになった。
 
能力が高く、仕事のできる人にあたって本当によかった。依頼したことはきちんと処理してくれる。何回も催促せず、再確認もせずとも。よく気のつく人で、依頼しなくても、言い出す前に手を打ってくれる。
 
施設の相談員さんにも前もって話を通しておくと言っていた。リハビリに重点を置いて話をするようにと。
 
面接の日もメディカルワーカーさんは立ち会ってくれた。本来なら家族の仕事なのかもしれない。結果をすぐに知らせてくれた。問題なく終わったと。
 
おばあちゃんはしっかりと質問に答えていたそうだ。相談員さんは、あとで「よくしゃべる、話し好きな人ですね」と言っていたとか。また、施設に入所したら洗濯物をたたむ、そういうお手伝いをしてもらうとも。ということは、合格。よかった。
 
一週間ぐらいして、施設の相談員さんから電話があった。入所について、費用とか時間とかの。入所は、こちらの都合のいい日を選び、施設と相談して決める。
 
時間は、午前中なら10時半、午後は2時半ぐらいが、職員の手がすいていて対応しやすいと。食事時間の前後をはずすということだ。
 
こうして長期入院から脱し、老健に入所できた。二ヶ月や三ヶ月で入所できるのは早いほうらしい。入院前は要介護3だったが、いっぺんに要介護5になり、介護度が重度になると、施設入居も困難になるのではと危惧していた。
 
入所の待機者は、重度のほうが多いのでは? 施設側は軽度が何人、重度が何人という枠もあるはず。公表していないが聞いたら教えてくれるのかどうか。
 
自力で食事ができるから、要介護5の中では、まだ軽いほうだった。それがよかったのかもしれない。要介護5から上はないから、同じ要介護5といっても差がある。
 
施設入所というのは、早いもの順ではない。個人の状態にもよる。そのときの施設の状況に適合した条件の人が先にもなる。どういう理由で早く入所できたのか、わからない。早く入所する方法があればいいのだが。
 
「運」、タイミング、早く入所できるかどうかは、これしか言えない。
 
                                              (2011年10月)