これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (32) 費用

<That's Ninchi Show  No.32
 
特養に移ると、毎月の費用が高くなる人もいる。 
 
今までは気がつかなかったが、どこにでもたくさん、認知症老人の世話をしている人がいる。世間話をしていて、うちのおばあちゃんは認知症だと言うと、うちも、うちもと。この時代、認知症でない老人のほうが少ないのではないかと思うくらいだ。
 
タクシーの運転手さんと話をしていたら、やはりお母さんが認知症で、今はグループホームにいるという。グループホームにいるなら安心だろうに。
 
「特養(特別養護老人ホーム)の順番を待っているが、530番だから、いつになるやら。」と嘆いていた。大きな総合病院の付属の施設で、特に人気があるようだ。
 
特養だと安いので、費用の問題で、特養に移ろうとしてるのかと思ったら、違う。
 
要介護4になって、グループホームから「ここではお世話できません。」と言われたそうだ。身体が不自由だと、手がかかるからだろうか。うちのおばあちゃんも、同じことを言われて、入所して三ヶ月で老健(介護老人保健施設)を退所させられた。
 
運転手さんは、「出て行けというなら、行き先をみつけてくれ。」とグループホームに言ったそうだ。そうも言いたくなる。行き先を探す苦労を知れば。
 
また運転手さんは、こうも言っていた。
「今は月15万の支払いだが、特養に行くと、月17万も払うことになる。お袋の場合は親父の遺族年金が15万あるから、特養に行っても安くならない。」
 
グループホームにいるほうが安いのに、出て行かないといけない。割に合わない。
 
新しい特養は設備もよく、居室も広いから、個室代が高くなる傾向にある。
限度額認定の対象外の人は、一般の老人ホームとそう変わらない費用になる。
 
広告宣伝でよく知られてる大手は、月30万円くらいかかるが、さがせば、15万から20万円の一般老人ホームもある。もちろん、空き室はほとんどなく、待機者登録になるが、特養ほどの人数ではない。
 
こういう20万円までなら払える、中間層の老人も多いのに、それに見合った老人ホームが不足し、その人たちまでもが特養に入居しようとしている。
 
ケア付老人マンションも、この中間層のラインだ。ただ、マンションだと、どこまで面倒をみてくれるのかという不安がある。認知症老人は行き先がない。最期まで世話をしてくれるのは、やはり特養などの老人ホームに限られるのだろうか。
 
「ここではもうお世話できません。」と言われないところ、それがなかなかない。