これが認知症なんだ (23) 転居 その2
<That's Ninchi Show No.23 >
認知症老人の行くところはない。制度上はある。現実は・・・
おばあちゃんの認知症が進行し、どう考えても一人暮らしは無理だ。本人は、まったくそのことに気がつかない。「まだ歩けるのに老人ホームに行くのは早い」と言う。
ネットでどこか入所できそうなところを探すことにした。
特養(特別養護老人ホーム)は、一つの施設に何百人も、人気のある所は千人以上も待っていて、申し込んでも何年もかかるという。定員が60とか100とかで、600人も待っている。量的に少なすぎる。ニーズに合っていない。これは初めからパス。
また、300万円とか2000万円とか入居金の高い有料老人ホームも、対象外。
ケアハウスも、自立した元気な老人のためのもので、対象外。
意外にも特養より待機者が少なく、はいりやすい。全室個室で安い大部屋がなく、その上に、限度額認定されていても、補助金がないからだ。特養の待機者がやむをえず入所していて、特養が空くと退所する例も。
特養は、限度額認定により食費や居住費の軽減がなされているし、個室だけでなく大部屋もある。どうしても、こっちに集中する。
やめた理由は、意地悪なおばあさんに何か言われたから。そんなので逃げ出すようでは集団生活に適さない。認知症は暴言だらけだ。暴力だってある。
そんな認知症老人が集まった所での生活はとても耐えられないだろう。学校を卒業してから、勤めることなく、家事手伝いをしてお嫁に来た。集団生活の経験がない。
そうなると老人マンションしかない。できるだけ費用の安いところを探した。
家族で下見をし、次におばあちゃんを連れて行った。残るは説得のみ。