これが認知症なんだ (17) リモコン
<That's Ninchi Show No.17 >
認知症対応リモコンがオプションとして必要になる、これからは。
老人マンションに移るときに、地デジ移行にあわせてテレビを買い換えた。どこにも出かけないし、読書の習慣もない。テレビだけが楽しみだったから。
家ではうつらなかった衛星放送も見られる。韓国ドラマが好きだったから、衛生放送だと毎日いくつも韓国ドラマがあるから、喜ぶだろうと思っていた。
ところが、あんなにテレビが好きだったのに、見なくなった。わけを聞くと、いつも見ている番組のチャンネルがどこにもない、うつらないと言う。
テレビをつけてみると、BSになっていた。どうやら地デジと衛星放送の切り替えボタンの使い方がわからなくて、地デジに戻せないようだ。
その切り替え方法を教えても教えても覚えられない。
おばあちゃんは衛星放送を見たことがない、なじみがないので見る気もないようだ。今まで見ていたチャンネルの、いつものなじみの番組しか見ない。
単純なリモコンがあればよかった。オン、オフと、音量、地デジのチャンネル切り替えだけの。いくつも小さなボタンが並んでいるのは老人には使いにくい。
「エアコンがこわれた、電気屋さん呼んで。」 と電話がかかってきたこともある。新築だから、新品だ。急いでマンションに行ってみたら何の問題もなかった。
家のエアコンと違って最新型が備え付けてあり、リモコンに「おそうじ」 ボタンがある。これを誤って押したようだ。「おそうじ」の時は冷房も暖房も止まるタイプなので。
そのあとも、真夏に暖房運転になっていたり、反対に真冬に冷房になっていたりと、リモコン操作ができなくて困った。家族やヘルパーさんが適度な温度に設定しても、本人が一人の時にむちゃくちゃにしてしまう。
リモコンを隠してしまうことも考えたが、一人の時に寒くなって消したいこともある。
オン、オフだけのリモコンがあればいいのに。 家電が高機能、多機能になってかえって使いにくい時代になった、老人には。