認知症、報道されない普通の人々は。。
認知症の人には周囲の人々の理解が必要だが、
そこが難しい。
よく知らない人(見たことがない人)にとって、
認知症とは「おそろしい病気」という認識が最初で、
自分と無関係な時期だったり、家族や身内に無関係なら、
それ以上理解しようとはしないだろう。
老人介護と無関係に暮らしている人々は、
テレビやネットなどのメディアで見聞きすることが、
「認知症の知識」の大半となる。
これが「大きな誤解」の一因だと思う。
メディアでの発信は「多くの人の目を引くこと」が中心で、
介護や認知症の実態をそのままに伝えるものではない。
認知症の人が原因で事故や傷害・殺人事件が起き、
ニュースとして報道されると、知らない人々は皆、
「認知症の人は何をするかわからない。怖い」と思う。
認知症の家族会の人が、
「必要以上に怖がらないでほしい」と言っても、無理だろう。
また一方ではまるで逆の報道もなされている。
「認知症でも周囲の協力で普通に働ける」というような、
治療やリハビリの効果があり状態の良い人を紹介するなど。
このように、「よい例」と「悪い例」だけを目にしていると、
実態はどうなのか理解しにくい。
それらは認知症の人々のほんの一部で、
その中間の多くをしめる普通の人々のことは報道されない。
「よい例」にもなり得るし「悪い例」にもなり得る、
そういう人々がほとんどだ。
だから、「必要以上に恐怖心を持ってはいけない」が、
同時に油断してもいけない。
「よい例」のように見えていても、
次は「何をするかわからない」のが認知症だ。
必要以上におそれないが、緊張感は忘れない。
そういう心構えが周囲の人々には必要だと思う。
偏った報道のあり方が誤解を生んでいる。
<That's Ninchi Show 2 No.1373>