これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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胃ろうで栄養状態がよくても。。

老人は突然逝ってしまうことがある。

うちの親(胃ろうで寝たきり)が先月急病で緊急入院となった時、まさか数時間以内に逝ってしまうとは誰も思わなかった。

施設(老健)の担当者が病院に付き添って行ってくれ、
家族は後から入院の手続きに行くという手はずだったが、
いざ出ようとしていた時に急死の知らせがあった。

病院に着くと、廊下で施設の担当者が待っていた。
「こんなことになってしまって申し訳ありません」と。
施設のせいではない、誰もわからなかっただろう。
前日までは黄疸が出ていなかったようだ。

一緒に医師の説明を聞いて、処置室で対面。
顔色がひどい。青いというより、薄緑色。
もともと色白だから、青白くなるところだが、
黄疸が出ていたから、青+黄+白で薄緑色。

検査の途中、レントゲンを終えたところで呼吸停止。
胆のう炎らしい。そこまでの検査でわかることは。
このあと施設に戻され、着替えとメイク(死化粧)となった。
入院手続きがまだなので、施設に入所中という扱いだ。

施設ではそこまでしてくれる。
持参した「この時の衣装」を着せてもらって、葬儀社の迎えを待つ。
メイクしてもらうと見違えるようになった。
普通の顔色になっているから驚きだ。
まるで特殊メイク、さすがというか。

胃ろうなので栄養状態が良く、少しも痩せていないし、
急病で急死、長く患っていないからやつれてもいない。
本人が十年前に用意した「その時の衣装」がぴったり、
サイズが変わっていない。

おしゃれさんだから、衣装も考えたようだ。
ハイネックで襟元に銀ラメのバラのコサージュが付いている。
首のしわが目立たないようになのか。

というわけで、通夜に来てくれた親戚も皆口々に、
「以前のまま、少しも変わってない」と。
胃ろうでよかったことの一つだろう。

どうでもいいことだが、銀ラメのバラだが、
火葬場で骨上げの時に「真っ黒の塊」になっていた。
花と折り紙しかお棺に納めてないので、
燃え残るとしたら銀ラメのバラだと思う。

「その時の衣装」は自宅からサ高住に移る時も、
次に有料老人ホームに移る時も自室に置いてあったものだ。
今秋、老健に移る時は大部屋で置き場所が少ないし、
今までも必要なかったからと持って行かなかった。

皮肉なものだ。
用意しておくと必要がなく、しないと必要になる。
長生きするには早めに準備するのがいいかもしれない。

老人の急病は急激に悪化し急死することが多い。
今までも何度も医師から聞かされた言葉だが、
なぜか「うちの親だけは」と思っていた。
胃ろうで栄養状態が良くても同じだったようだ。

老人は突然逝ってしまう。
それをいつも念頭に置いておくべきだろう。
そうでない場合のほうが例外なのかもしれない。



<That's Ninchi Show 2  No.1359>