認知症の介護、十年たって。。
介護という「乗りかかった船」に十年。
うちの親の認知症がわかってから、十年になる。
思い出したくもない、十年前のことは。
正月から「少しへん」だったが、
2008年の夏からが異常さが顕著になった。
コメントをいただいた「認知症家族」仲間の方の言葉を借りると、
この時に「介護という船」に乗せられてしまった。
まさか十年も続くとは思いもよらず、
目の前の壁を乗り越えるだけしか考えてこなかった。
「これから認知症の介護」という時には、広い視野で長期的な計画が必要だと、十年たって思う。
我が家の「認知症の介護という船」は、モーターエンジンがない手漕ぎの小船で漕ぎ手が少ない。
妹夫婦を入れても四人で、暴風や大波が来たら転覆寸前だ。
年々漕ぎ手の体力が落ちていくのに、積荷のほうは重くなる。
先をスイスイと走るモーターボートがうらやましい。
我が家の予算ではモーターボートは買えない。
条件が違うので、うらやんでも意味のないことだが。
予算が潤沢なら、この航海のストレスは相当軽減されただろう。
今年の春、我が家の漕ぎ手は一人減ってしまった。
妹が肝臓を悪くして入院、今も自宅療養中。
妹は仕事と介護だけでなく、ここ数年は息子の妻に代わって孫二人の世話をしてきた、その疲れだろう。
今の社会は個人の負担が重過ぎるように思う。
社会福祉のために個人が犠牲的に働く、それで回っている。
日本は豊かな国だったはずだが、違うのだろうか。
<That's Ninchi Show 2 No.1363>