これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

FC2ブログに引っ越しました。週一回か二回は更新しています。

認知症の人の「思い出の品」は。。

認知症でも「思い出の品」は捨てられない。

うちの親は三年ほど前から一般の老人ホーム(特養ではない)に入居しているのだが、個室の広さは18平米しかない。

その前は25平米の「サ高住」に住んでいたので、転居する時にかなりの量の物を捨ててきた。

サ高住の前は80平米の一軒家に住んでいたので、この時点で持ち物のほとんどを処分し、必要な物だけを残すようにした。

このようにして減らしてきたので今の持ち物は「ほんとうに必要な物」だけになったはずなのだが、そうではない。

この二回の引越しでも処分することができなかった物がある。

「ブルーグレーの毛糸で編んだ、おじいちゃんのベスト」で、うちの親(おばあちゃん)の手作りだ。

おじいちゃんは気に入っていて、亡くなるまで毎日来ていたものだ。
前開きで、大きなボタンが付いていて着やすい。

その後は寒い時の「おばあちゃんの日常着」になっていた。
「もったいない」し、おじいちゃんの思い出があるからだろう。

だから、サ高住に引越す時の荷物に入っていたわけだ。

今は寝たきりだし、「胃ろう」なので食堂に行くこともないからベストを着用する機会はない。

今は必要なく今後も必要ではない物なのだが、「思い出」がじゃまして捨てられない。

施設の個室に置いておいても本人が思い出すこともないだろう。
おじいちゃんのこともすっかり忘れているように見える。

認知症の人の「思い出の品」を保存するなんて全く無意味にも思うが、
「もし思い出したら」として捨てられない。

どうしても捨てられない物はあるものだ。

<That's Ninchi Show 2 No.1327>