認知症、病院に行きたくない。。
認知症の親を病院に連れて行く、難問中の難問だ。
年寄り一人を説得して病院に行ってもらうのがここまで難しいとは、
普通の人には理解できないことだろう。
親が認知症になるまでは全くわからなかったことだ。
認知症を知らない人が聞けば「どこが?」と疑問に思うだろう。
本人は「どこも悪くないから病院には行かない」と拒否する。
なぜだろう? 病院がこわい?
知らない人や知らない場所だから、不安?
もともと病院が好きな人はいない。
「病院に行くのは嫌」というのは普通だ。
身体の不調を放置して、悪化したら将来困ることになるから、
嫌だけどガマンして治療に通っているわけで。
患者の多くは老人で、毎日のように通院している人もいる。
認知症を発症すると、突然「病院が嫌」になるのだろうか。
認知症の人は不安感が極端に強いと言われている。
その不安感が「病院に行きたくない」と言わせているのだろう。
また、認知症になると身体の不調があっても気づかず、気づいたとしても「将来の心配」ができないので、
「どこも悪い所がないから行かない」となり、
嫌なのをガマンしてまで行く必要がないとするのだろう。
何かいい方法はないものだろうか。
予防注射が嫌だという子供を連れて行く時は、「ちょっと痛いけどガマンしたら、お菓子買ってあげる」という手があるが、
認知症の老人にはそういう安易な方法は通用しない。
嫌だと言い出したら頑固、どこまでも自分を貫く。
「デイサービスに行きたくない」という人もよくある。
うちの親もそうだった。説得しても説得してもダメで。
これも同じく不安感のせいだろう。
それだけでなく判断力の低下により、将来の予測もできず家族の窮状を考慮することもできないからだと思う。
本人の側に立って、本人の気持ちを考えれば「行きたくない」と言い出したらもう方法はないような気がする。
家族にとっては「行ってもらわないと困る」のだが。
世間には到底理解されないような所にも、家族の悩みがある。
「認知症家族」の悩みは深い。
<That's Ninchi Show 2 No.1301>