認知症はどう進む、実例。。
どのように認知症は進むのだろう。
親が認知症になってすぐに思ったのはそれだ。そして、「うちの親は今どれぐらいのレベルなのだろう」とも思った。
これらについて誰に問いかけても明確な答えはなかった。
誰もがはっきりしたことはわからないので、答えようがないからだ。
脳のことは誰にもわからない。今の医学の限界のようだ。
この二つの疑問はその後も常についてまわることになる。
終末期となった今でもそうだ。明確な答えは何もない。
答えのないまま(将来不安を抱えたままで)ここまで来た。
その経過を振り返ってみると次のようになる。
2004年4月 心房細動を発症 脳梗塞予防薬を服用開始 74歳
2007年(認知症0年) 口数が減少し歩行が困難に 77歳
迷惑電話、被害妄想、幻覚、徘徊
2008年9月 サ高住に入居 迷惑電話や徘徊がなくなる
2009年(認知症2年) 要介護2になる
この後二年ほどは進行が遅く要介護3で安定
介護拒否とそれに関連した暴言暴力が出る
2013年7月 四回目の脳梗塞発作 左半身不随に
2013年8月 入院中に胆管炎 嚥下困難になり中心静脈栄養
2013年9月 胃ろう手術 寝たきりとなり要介護5になる 83歳
2013年10月 退院、もとのサ高住に戻る
よくしゃべるが介護拒否はなくなり、介護がラクに
2014年4月(認知症7年、胃ろう1年) 老人ホームに転居
「ありがとう」「ご苦労様」を連発する良い老人になる
2016年(認知症9年、胃ろう3年) 86歳
少しも改善していないが要介護4になる
2016年秋 言葉を発することが激減、眠ってばかりになる
2017年(認知症10年、胃ろう4年)
面会に行っても言葉はない。ほとんど眠っている
さて、以上が現在までの経過だ。
その場しのぎで奮闘してきて十二年が過ぎた。
認知症のもとになる病気の発病から介護が始まり、「被害妄想→介護拒否→おとなしくなる」という段階を経て今に至る。
中でも介護拒否の時期が一番困らされたのだが、その頃は「暴れまくっているけど、いつおとなしくなるのだろう」と思っていた。
同じような立場なら多くの人が気になる所だろう。
「いずれおとなしくなる」と言われていても、「いつ」なのかと。
また、胃ろうを付けた時には「いつ、何もかもわからなくなるのだろう」と気になっていた。
今の状態でどれだけ本人に意識があるのかはわからない。
今言えることは「胃ろうを付けてよかったと思えるのは三年ぐらい」ということだ。
<That's Ninchi Show 2 No.1273>