認知症を発症してからは正月が来ない。。
うちの親は認知症になってから正月が来なくなった。
正月が来ても正月だという意識がないからで、
「もういくつ寝るとお正月」ではなく、寝ても寝ても「普通の日」だ。
誕生日だって同じで、誕生日になっても誕生日だとわからない。
誕生日という認識ができない。
正月が認識できていないなら、正月を祝う意味がない。
誕生日が認識できていないなら、誕生日を祝うのも無意味だ。
本人の頭の中では時間は経過しなくなったらしい。
発症とほぼ同時に時が止まってしまったようだ。
このように時間の流れを認識できなくなって、「生きている」ということは認識できているのだろうか。
「生きていると認識できないのなら生きていることは無意味だ」と考えることもできるが、
誰も本人の頭の中はわからない。
何もしゃべらないので何を考え何を思っているのか不明だ。
だが、わからないからといって「何もない」とは言えない。
見た目には「無意味に生かされている」ようでも、本人は時にしっかり「生きている」と意識しているかもしれない。
そのように見えるのだが、そうあってほしいという思いのせいでそう見えるのだろうか。
<That's Ninchi Show 2 No.1224>