介護施設に面会に行って。。

反応のない人に向って話しかける。

何を話しても返事はなく表情すら変わらない。

そんなの普通ではありえない光景だが、認知症では普通だ。

うちの親（86歳、胃ろうで寝たきり）に話しかけるといつもこんな感じで、返事などの反応があるのは一割にも満たない。

耳元でゆっくりしゃべっているから聞こえていないはずはなく、聞こえているけど脳が言葉としてとらえていないのだろう。

うちの親は認知症の初期から「無表情」になっていて、中期には「何か問いかけてもたまにしか返事しない」ようになり、

自分の言いたいことだけを言う「一方通行の会話」となった。

終末期となったこの三年ほどは「言いたいことだけを言う」ことも格段に減り、ひどい時には一日じゅう何もしゃべらない。

反応がないから、施設に面会に行っても話をしないで帰ってくることも多いが、本人のためを思うとそれではいけない。

できるだけ話かけて脳を刺激することが必要だから。

施設のスタッフは皆、反応があってもなくても同じように話しかけてくれている。さすが介護士だと感心している。

自分としては同じようにしようと努めているつもりだが、なかなか。

返事もなく、表情の変化もないのでは話を続ける気にならなくて、本人に聞かずに介護士さんなど担当の人に問いかけて終わる。

元気なのか、痛い所はないのか、何か必要な物はないのか等々、以前なら本人が答えていたことを全部、担当の人に教えてもらう。

本人の様子を聞き出すために、面会に行っても本人の顔を見るより介護担当者の顔を見ている時間のほうが長い。

それではいけないとわかっているけど、できない。

「笑顔で介護」ができなかったのと同じだ。

今でも「つくり笑顔」すらできない。

できる人もいるのに、周りを見ている限りだが。

どうしたらできるのだろう？

＜That's Ninchi Show 2 No.1217＞