これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症、専門医なら治療可能という誤解。。

認知症への誤解が多すぎる。

うちの親が認知症になるまで、全く介護や認知症について関心がなかったが、常識としては少しは知っているつもりだった。

しかし、その常識と現実とのギャップは大きく、そのため、想像していたレベルをはるかに超えた苦労の連続だった。

誤った常識の第一は、「認知症は病気、専門医の治療で進行を遅らせることが可能」ということだ。

現実は「認知症は症状、専門医はめったにおらず、症状悪化に対抗しようにも頼れるものは何もない」という状況だ。

認知症とは何種類もある他の病気によって起きた症状を指すもので、原因となる病気を治すことが先だ。だが、残念ながら、

原因となる病気はアルツハイマー病やパーキンソン病脳梗塞や糖尿病など、老化(加齢)が発病と深く関係しているものが多い。

今の医学では老化はとめられない。
これらの病気は完治することがないと言える。

それはつまり、その先に現れる認知症に対しても今の医学では「進行するのを見ているだけ」ということだ。

ここまで今の医療が無力だとは知らなかった。

医学は老化には適応していない。
若い人なら治せるが老人は治らないことが多々ある。

うちの親(85歳、胃ろうで寝たきり)の場合、いろいろな場面で「老化です」と言われ、治療不能とされた。

「原因不明」の症状を「老化」だと説明されることもあった。

胆管の手術後に出血がとまらなかった時も、医師は「何度も何度も止血して薬も使っているのですが、なぜだか・・」と悩んでいた。

再手術となり何とか命はつないだが、もしもの時は「手は尽くしましたが、ご高齢ですので」と老化のせいにされただろう。

ただ、一般人に「老化なのか、医療技術が未熟なのか」の区別はつかないから、納得できるように医師は説明すべきだと思う。

認知症の人を治療するには老化についての専門知識が必要になる。

神経科や精神科の医師が認知症の専門医とされているが、この人たちは「老人医学」の専門医でもあるべきだ。

そういう老人医療専門医を増やすことを政府には考えてもらいたい。

頼れる医師が近くにいると、それだけで家族も本人も安心できる。
誰も頼りにならない、一部の人を除いてそれが現実だ。



<That's Ninchi Show 2 No.1183>