訪問診療は郵便貯金口座でと。。。
うちの親(85歳、胃ろうで寝たきり)は郵便貯金口座を持っていない。
今の施設に入居するまで、それで不都合なことは何もなかった。
入居後に訪問診療の費用を支払う段になって、不都合が生じた。
施設が依頼している先生は「医療費の引き落としは郵便局だけ」で、それでなければ「振込み」になる。
毎月請求書が届くと、その都度その金額を振り込む。
面倒な上に振り込み手数料もかかる。
この先生をはじめ、世間は誰でも郵便貯金口座ぐらいは持っていると思っているのだろう。うちの親は例外中の例外かもしれない。
銀行が一つもない田舎にも郵便局はあるから。
うちの親の家の近所だって郵便局はある。
だが、もっと近くに大手の銀行の支店があるから、必要なかった。
距離もそうだが、神戸という土地柄、郵便局は坂の上にあり「坂がしんどいから」と近くても行くことはなかった。
郵便局に口座を新規開設すればいいのだが、以前なら代理人で簡単にできたことでも、今では「本人でないと」不可能だ。
寝たきりの本人を窓口まで連れて行くことなどできないし、連れて行っても字も書けないし、印鑑すら押せない。どうしようもない。
訪問薬局の薬代は大手の銀行口座から引き落としができる。施設の利用料も銀行引き落としで、問題なのは訪問診療費だけ。
どうしようかと悩んで、ひらめいたのが「家族名義で口座を開設し、そこから引き落とし」という手だ。
訪問診療の医院に電話すると、家族名義でも可能ということで解決したのだが、それもダメと言われたらもう打つ手はなかった。
認知症になる前にしておくこと、これまで数多く出てきたわけだが、「郵便局の口座」は想定外だった。
うちの親だけなのかもしれない。坂道を登るのが嫌だから郵便局には行きたくないという人は。
使わなくても、口座を作っておいてくれたらラクだったのに。
<That's Ninchi Show 2 No.1102>