胃ろうで栄養状態がいいから。。。
血液検査では身体の異変(病気)だけでなく、栄養状態もわかる。
うちのおばあちゃん(85歳、胃ろうで寝たきり)は老人ホームで暮らしているが、そこの訪問診療の先生は頻繁に血液検査をしてくれる。
結果は請求書に同封して郵送されてくる。三ヶ月に一度ぐらいだ。
いつも「問題なし」の結果だ。基準値を超えるとか、下回るものは「*」などで区別されているが、下回るものは何もない。
貧血もないし、低蛋白血症もない。栄養状態がいい証拠だ。
栄養計算された栄養液を胃ろうに注入しているから、当然と言えば当然だが、老化が進むと「腸が栄養を吸収しなくなる」らしい。
いわゆる老衰だ。そこに至れば、もう何をしてもムダ、胃ろうを付けても栄養状態は改善しないから、見送るだけだ。
うちの親の腸は「まだまだ十分に吸収可能なレベル」で、まだまだ長生きできる。胃ろうになって二年、もうすぐ三年だが。
以前、胃ろうになる前の二年ほどは、「かんだり、飲み込んだりしにくい」という状況で、十分な栄養がとれているとは言えなかった。
そういうわけで貧血もあったが、今ではヘモグロビンの量など基準値を越えそうなぐらいだ。男性の基準値と同じだけある。
胃ろうになってから、今まで飲んでいた治療薬(降圧剤や血液凝固阻害剤)をはじめ、鉄剤やたんぱく質などの補助薬も「なし」だ。
胃ろうの栄養液だけで充分栄養がとれるからだろうが、治療薬をやめた理由はよくわからない。医師が決めたことなので。
薬なしでも脳梗塞が再発することもなく、すこぶる健康で過ごしている。副作用がなくなって、かえって元気になったようだ。
寝たきりだが、家族が会いに行くと枕から頭をもちあげて起き上がろうとする。何度も何度も首を上げて、首しか上がらないのだが。
左半身マヒのため、左側の首の筋肉は思うようには動かないから、きっと右側の筋肉だけで「頭を持ち上げている」のだろう。
本人は起き上がるつもりだ。もう起き上がれないという自覚はない。
脳梗塞の発作で寝たきりになったことが思い出せないから。
こんなに意欲があり、筋力も残っている人を「認知症で胃ろうで寝たきりだから終末期」とするのは、どうなのだろう。
何かが間違っているのか、どこかで道を誤ったような気がする。
<That's Ninchi Show 2 No.1096>