寝たきりでも握力はすごい。。。
健康面で言えば、胃ろうの効果はすごい。
うちのおばあちゃん(85歳、胃ろうで寝たきり)は一般の老人ホームで暮らしている。入所してもう一年八ヶ月が過ぎた。
面会に行ったら、ちょうど「おむつ交換」だった。
運よくというか運悪くというか、「大」のほうだ。スタッフの人は「よかった。タイミングよくて」と喜んでいたのだが。
のぞいてみると、出たばかりの感じ。時間がたてば体重でぺったんこになるはずだから。
自分の当番の時に「大」で、「何てついてないんだろう」と思わないのだろうか。プロは違う。さすがだ。それどころか喜んでいる。
本人の気持ちになれば、確かにそうだろう。
おむつ交換は二時間とか三時間に一回なので、大便がついたままで長い時間ほっておかれることもある。
おむつを換えてほしい時、寝たきりになる前はブザーを押してスタッフを呼んでいたのだが、今ではそれもできない。
ブザーはベッドの左側の壁に取り付けてあり、脳梗塞の再発で左半身不随になったから、押すことができない。
ベッドを逆向きにすればいいのだが、エアコンや窓の位置などを考えると無理だ。窓を背にしてしまうから、外の景色が見えない。
左側は手も足も言うことをきかない状態だが、右側はまだ使える。
右手しか使えないのだが、生活上少しも手を使っていないのにもかかわらず、まだ相当筋力が残っている。
胃ろうだから、「スプーンで食べ物を口に運ぶ」ということすらない。
リハビリもしていない。それなのに、右手の握力は残っている。
スタッフの声にあわせて、オムツを替えやすいように右手でベッドの柵を持って身体をおこして、何分間か右手だけで身体を支えていた。
寝たきりになって二年以上だ。終末期と言われている。
しかし、二年前と今と「おむつ交換」の様子は大差ない。これだけ筋力が保持されたのは胃ろうのおかげだろうか。
顔色も良く、皮膚も「少しも枯れた感じがなく」きれいだ。保湿クリームを塗ってもらっているから。
こんなに元気そうで、ほんとうに終末期なのだろうか。
胃ろうの効果はすごい。見た目だけでなく、筋力もあるし、まだ会話だってできる。胃ろうを付けなければ余命半年だった人が。
体重だって増えている。終末期には食べても食べても減るらしいが。
胃腸が健康なのだろう。便の色がその証拠、健康な人の色だ。
善玉菌が多い。身体に悪いものを一切食べていないから。
めったにないことだと思っていたが、「胃ろうで十年」というのもあり得る。そうなると、わが家も老老介護になってしまうけど。
元気でお正月が迎えられそうで、ひとまず安心した。先のことは先のこと、今がよければいいとしよう。
<That's Ninchi Show 2 No.1077>