これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症で一人暮らしは、車の運転は。。。

認知症の人は一人暮らしできないし、車の運転もできない。

そう言うと、「そんなことはない。現に一人で問題なく暮らしているし、運転して買い物や病院に行っている」という人も多い。

そうであっても、家族が見ている時は問題もなく「今までのようにできていても」、見てない時などに突然「できなくなる」ことがある。

うちの親の例でも、二人が二人とも共通して「一人でできていたことが、ある日突然できなくなった」ように思う。

ただし、できないと思っていたら「ある日突然できた」という具合で、「できる」「できない」を繰り返して完全にできなくなる。

「ある日突然できなくなる」前に、予兆でもあればいいのだが、ない。

家族が側で見ていて「もうそろそろ無理かな」と気づくようなことはなく、だいたいが予兆もなく突然できなくなっていた。

たとえば電話機やリモコンの操作だ。「使い方がわからないから、教えて」と本人から聞かれたことは一度もない。

もし何回か質問されていたら「そろそろ操作ができなくなったから、エアコンの温度調整は本人まかせにはできない」とわかっただろう。

認知症の本人は何度失敗しても記憶に残らないから「できなくなった」という意識はなく、「できる」と思い込んでいる。

家族も「まだ操作できる」と思い込んで、本人まかせにしてしまうと大変なことになる。そうなって初めて「できないんだ」とわかる。

真夏に「暖房」にして、熱中症になりかけたり、真冬にエアコンのスイッチを入れず、外と同じ室温で震えていたり。

親が認知症になった時、ネット検索して「事故や火事などで発症後二、三年以内に死亡することも多い」と知って驚いたものだ。

そうならないために家族がどれだけ配慮できるか、そこでも寿命が決まってくるだろう。一人で放置していたら短命に終わる。

今のところは一人で料理も買い物もでき、車を運転して病院に行けていても、認知症の場合は「できる・できない」の境界線上にある。

いつ「できない」のほうに行くか、わからない。

認知症かな」と思ったら、「一人暮らし」と「車の運転」は無理だとみなして対処していくべきだろう。

本人は嫌がるに違いないが、それが本人の安全と、地域社会の安全のためだ。認知症であっても社会の一員としての責任がある。

「病気だから迷惑をかけてもしかたがない」として許されることと、絶対に許されないことがある。

火事を出して隣家まで燃えてしまったらどうなる?
車がないと不便だと言っても、事故を起こすとどうなる?

ただ、認知症の人は一人暮らしも運転もできないとわかっていても、家庭の事情で対処できず、そのままにするしかない場合もある。

地方に親を残して、都会で仕事をしている場合などがそうだ。仕事を辞めて地方に帰るか、親を都会に呼ぶかで、簡単にはいかない。

政府や厚労省の言うように「地域の支援によって、認知症の人も自宅でこれまで通り暮らせる」のであれば問題はないのだが。

車を処分しても、ご近所が病院に連れて行ってくれるなら「これまで通り」暮らしていける。

そういうご近所がどこにでもあるのならいいのだが。

             <That's Ninchi Show 2 No.1052 >