異変をすぐ知らせてくれる施設は。。。
何かあったらすぐ知らせてくれるから安心できる。
うちのおばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)は去年から一般の老人ホームで暮らしている。特養の入所はとっくにあきらめた。
いくつか難点はあるが、この施設に入居できてよかったと思っている。
世間では「施設はかわいそう」とか「施設に入所したらボケた」とか「施設に入所後すぐになくなった、やはり家がいい」とか言う。
そういう発言は「家族が世話できないという状況」を考えていない。
家族構成や個人的能力(体力・経済力・精神力など)という条件的に恵まれていて介護できる家族と、できない家族がいる。
「できない家族」にとって、介護施設の存在はとても有難い。
先日「誰も見てない隙に本人がコップの水を飲んだ」という考えられないことがあったが、施設から家族の携帯にすぐに連絡があった。
「異常が出ないか、呼吸状態を聴診器で聞いて様子を見ます」と。
結果的に何の異常もなかったのだが、嚥下困難だから胃ろうを付けているわけで、呼吸状態が悪化し、肺炎を起こして死亡することもある。
知らされないままにそうなった場合、家族としては施設に対する不信感が湧いてくるだろう。なぜ隠しておく必要があったのか、という。
数年前のことだが、「一週間もほとんど食事をとっていない状態」なのに家族に知らせないという施設があった。
一週間後にそれを知らされ、どうして今頃まで知らせてくれないのかと聞くと、施設側は「様子を見ていた」という。
「認知症の人が突然何も食べなくなる」ことはよくあるらしく、「様子を見ているとまた食べるようになることがあるので」と言っていた。
認知症のことを何も知らない家族に知らせても不安になるだけ、だから知らせないで様子を見る。そういう施設の方針だったのだろう。
どこかの政府が国民を不安がらせないために情報を隠すのと似ているが、知らされないで「大変な結果」を受ける身にもなってほしい。
「様子を見てから」知らせるのではなく、知らせてから様子を見る。それでないと家族は安心していられない。
施設の良し悪しは、そういう部分にあると思う。その点で言えば、安心できない施設に預けられた老人は「かわいそう」だ。
全部が全部「施設はかわいそう」ではない。安心できる施設があることはある。うまくそこに当たるか、運しだいではあるが。
うちのおばあちゃんが長生きできているのは、「運がよかったから」かもしれない。
< THAT'S NINCHI SHOW 2 NO.1012 >