要介護になって十年、正月。。。。。
「要介護」になって十年だ。
うちのおばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)が最初の脳梗塞を起こしたのは、ちょうど十年前の二月だ。そこから我が家の介護は始まった。
が、介護度は重くなった。「要支援」だったのが、「要介護1」に。デイサービスに週一回行くことになり、訪問介護も週二回になった。
その後、二年か三年で認知症を発症し、本人の頭の中にカレンダーは存在しなくなった。時間の経過を知ることなく生きるとはどんなものか。
要介護になって十年、お正月がわからなくなって七年、ということだ。
いつも正月には、おばあちゃんに「今日は元日、お正月だよ」と言って、「何言ってんの、とっくにお正月は過ぎたのに」という答えがあったものだ。
そんなトンチンカンな答えが来ると予想できるから、ここ数年は家族の誰もが「お正月」をわからせようとはしなくなった。誕生日も同様だ。
お正月が消えてから七年、時間の経過がわからなくなってから七年、この年月は生きていたと言えるのだろうか。実感は薄いような気がする。
本人にしかわからないことだ。