これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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要介護になって十年、正月。。。。。

「要介護」になって十年だ。

うちのおばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)が最初の脳梗塞を起こしたのは、ちょうど十年前の二月だ。そこから我が家の介護は始まった。

もともと高血圧で降圧剤を二十年ほど飲んでいたが、その関係かどうか、心房細動が起き、脳梗塞心筋梗塞がいつ起きてもおかしくなかった。

最初の脳梗塞は運動障害は残らず、リハビリによって以前とほぼ同じぐらいまでに回復できた。「認知症がない」からリハビリできたのだろう。

が、介護度は重くなった。「要支援」だったのが、「要介護1」に。デイサービスに週一回行くことになり、訪問介護も週二回になった。

その後、二年か三年で認知症を発症し、本人の頭の中にカレンダーは存在しなくなった。時間の経過を知ることなく生きるとはどんなものか。

要介護になって十年、お正月がわからなくなって七年、ということだ。

歩行不能、嚥下困難、寝たきりになって一年三ヶ月。「心房細動」と診断された日に、「胃ろうで寝たきりで認知症」の十年後は予想もしなかった。

「心房細動→脳梗塞認知症」という過程は、よくあるもので医師なら予見できたと思う。が、当時はどの医師も何のアドバイスもなかった。

専門外の先生たちには認知症への関心が薄く、家族や患者に「この病気の人は認知症になりやすいから」と言ったりなどしないのだろう。

いつも正月には、おばあちゃんに「今日は元日、お正月だよ」と言って、「何言ってんの、とっくにお正月は過ぎたのに」という答えがあったものだ。

そんなトンチンカンな答えが来ると予想できるから、ここ数年は家族の誰もが「お正月」をわからせようとはしなくなった。誕生日も同様だ。

お正月が消えてから七年、時間の経過がわからなくなってから七年、この年月は生きていたと言えるのだろうか。実感は薄いような気がする。

本人にしかわからないことだ。