これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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訪問診療、訪問薬局を選べるかというと。。。。。

いい介護・いい医療を選ぶことが大事だという。

介護も医療も値段は全国ほぼ同じだが、その中身(サービスレベル)はそれぞれ違う。地域的な理由で、また経営方針で大きく違ってくる。

どこがどう違うか、それを見分けられる目を持つことが必要だと言われる。

しかし、高齢社会の今、老人や老齢患者は「良い」介護施設や「良い」病院を選ぼうとしても、選べる状況ではないように思う。

逆に、施設や病院に「選ばれている」ような状況だ。待機者が多いから。

たとえば、訪問診療医と訪問薬局、これらを利用者が選ぶとする。施設に入居している場合は多くの場合、選べない。もう決められている。

施設もどきの住宅(サ高住)の場合は融通がきく。うちのおばあちゃんは当時の主治医(自宅近くの開業医)に「訪問診療」も依頼できた。

認知症の人は「変化に弱い」から、主治医が交代するのも避けたほうがいい。サ高住のケアマネージャーさんに相談すると、了承してもらえた。

訪問薬局はというと、なぜかお医者さんとセットになっているようだ。この開業医の診療所に隣接する薬局が「訪問薬局」になってしまった。

「医薬分離」で膨張する薬剤費を抑えられるはずだったのでは?

政府や厚労省の目論見は大はずれ、「医薬癒着、医薬密着」のままだ。利用者が選ぶどころではない。そこしかない、という状況。

薬の値段はどこでも同じくらいだから、訪問薬局は選ぶほどでもない。きっちり医師の指示のように調剤して、遅れないように届けてくれたら。

ところが、昨年おばあちゃんが胃ろうになって状況は変わった。薬局も選ぶべきだとわかった。胃ろう栄養液の値段は薬局によって違うからだ。

「医薬品」ではない「食品」扱いの栄養液を訪問薬局が毎月医師の指示で数量を調整して届けてくれる。健康保険が使えず、三~五万円になる。

サ高住にいる時は毎月三万円から三万五千円、栄養液の支払いだ。この春、老人ホームに転居してからは、毎月五万円ぐらいになった。

転居後は施設の指定の訪問診療医、訪問薬局のお世話になっている。

数量は以前と大差はない。単価が違う。二種類あるのだが、現在の薬局のほうが14%、17%、高い。一ヶ月となると大きな差になる。

訪問薬局の担当者にそれを伝えて値下げを要求したが、だめだった。

メーカーが値上げしたのかもしれないと思い、以前の薬局に問い合わせてみた。今でも以前と同じ値段で、購入可能だという。

この薬局から施設に毎月必要量を送ってもらったら、安くできる。

と思ったら、「ただ、送料が一箱ごとに付きますので、安くはならないかと。以前は訪問薬局の契約で、無料配送でしたから」と言われてがっかり。

それなら施設と交渉するしかない。施設の担当者に「訪問薬局を変更可能かどうか」たずねてみた。わかってはくれたが、やはり、だめだった。

医師と薬局の固い結びつきは、ゆるがない。どこが「医薬分離」だ?

老人には医師も選べないし、薬局も選べない。あたりはずれが大きいのに、はずれたら運が悪かったとしてあきらめるしかないようだ。