寝たきりでは「お散歩」も。。。。。
寝たきりの人を「寝かせたまま」は、よくない。
しかし、動かすのはとても大変だ。どこかへ連れて行こうとしても、自力で身体を支えることのできない人を車椅子に乗せるのは、二人がかりだ。
うちのおばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)は脳梗塞の後遺症で左半身マヒがあり、ベッドから起き上がらせ、座らせることも難しい。
座る姿勢はとれても、時間がたつと右側へずるずると倒れてくる。このまま進むと、そのうち車椅子での移動も無理になるだろう。
面会に行って、天気のいい日などは車椅子に乗せて散歩に連れて行ってあげたらいいとは思うが、一人ではとても車椅子の移乗はできない。
それができるのは本人の身体能力がまだ残っている段階、「介助があれば立っていられる」レベルまでだ。
車椅子に乗せるには施設の介護スタッフに依頼するしかないが、それも気兼ねがある。皆さん休みもなく忙しくしているから、言いにくい。
いつもいつもベッドの横の窓と天井を眺めているだけではかわいそうだとは思うが、しかたがない。施設に余計な負担はかけられないから。
そう思いながら、ある日、たまたま在室していたスタッフに「いつも天井ばかり見ていてかわいそうだと思う」と、グチを言ってしまった。不覚にも。
胃ろうを付ける前は食堂まで車椅子で連れて行ってもらっていた。今では一日じゅうベッドだ。週二回の入浴時を除いて。
次の週に面会に行って、びっくり。スタッフに話を聞くと、天気がよく暖かかったので車椅子で散歩に連れて行ってくれたという。
依頼していないのに、そこまでしてくれるとは思わなかった。今年の春まで住んでいた「サ高住」では考えられない。やはり「施設」は違う。
「施設」でも、どこでもここと同じだとは限らないから、いい施設にあたってよかったと思う。おばあちゃんは実に運がいい。転居は大成功だ。
施設の良し悪し、入居してみないとほんとうにわからない。