これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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介護施設に面会に行くと。。。。。

やはり「施設」は「住宅」より重度の入居者が多い。

うちのおばあちゃん(84歳、胃ろうで寝たきり)の老人ホーム(特養ではない一般の、有料老人ホーム)に面会に行くといつもそう思う。

玄関から、おばあちゃんの部屋に行くまでに多くの老人に出会うのだが、あいさつしても返事がないことが多い。それだけ重度だということだ。

廊下ですれ違う人や、エレベーターで一緒になる人、また途中の椅子やソファーに座っている人、四人や五人には必ず遭遇する。

以前住んでいた高齢者用住宅(サ高住)では、その内のほとんどの人が返事してくれた。「お母さんのお見舞い? 親孝行ね」などの賛辞もある。

一週間に一回、風邪を引いたり都合がつかなかったりすると二週間に一回しか行っていなくても、ほかの人と比べたら多いらしい。

「サ高住」は元気で自立している老人が多く、家族もそんなに頻繁に通う必要がないからだろう。そんなわけで、いつもほめられていた。

先日、面会に行った時のことだ。おばあちゃんの部屋の前のリビングに、おじいさん一人、おばあさん三人が座っていたので声をかけた。

笑顔をつくり、聞こえるようにはっきりと「こんにちは」と言ったのだが、全員とも無言でじろっと見ていただけ。反応はそれだけだ。

前回も前々回も、その前もそうだった。毎回あいさつの返事はない。

いつも「あいさつしても返答はないだろうな」と思いながらも、無視して通り過ぎるわけにはいかず、「もしかしたら」の可能性もあるし、声をかける。

帰る時も同様だ。また別の人々がリビングに座っているのだが、一応あいさつして通る。予想したように「いつも」返事はない。

足をとめて観察してみると、この人々は同じテーブルに座っていても相互で会話している様子が見られない。静かなものだ、ほとんどいつも。

入居者の仲間うちでも会話がないのなら、外部の見ず知らずの人が通りすがりに話しかけても返事がないのはもっともだ。納得した。

認知症中期の騒ぎ立てる時期が終わって、終末期に近づき「おとなしい時期」になった人が多い、そういうことかもしれない。

ところで、返事の期待できない人は無視していいのだろうか。

それはないだろう。言葉のわからない赤ちゃんに話しかけることが脳の成長にとって必要だとされているように、老人にだって同じことが言える。

しゃべりかけて反応がなくても、いつものように話すべきだと思う。無意味なようでも、決してムダではないはずだ。脳への刺激にはなっている。

毎回そんなことを思いながら介護施設をあとにする。