認知症の人に伝わらないのは。。。。。
コミュニケーションとは「共感」だそうだ。
共感、同じ思い、それがないと人と人とは上手に人間関係を保てない。
どんなに丁寧に時間をかけて説明しても、共感されなかったら終わりだ。
言葉を替えたら、「何かを伝えるには、「共感」が必須条件」だとも言える。
親が認知症になって、一番困ったことがこれだ。言いたいことが伝わらないし、こちらの気持ちを全くわかってもらえない。それがストレスの元だった。
それまでは「言わなくてもわかってくれる」親だった。家族だから当然だ。
また親のことも、くどくど言わなくてもわかっていた。長年のつきあいで何を考えているかわかるから。ところが、発病からあとは何もわからない。
認知症を発症してからは別人。何を考えているのか、何をしたいのか、何をするのか、全くわからない。見当がつかない。想像もできない。
認知症の人を家庭で家族が介護する場合、この問題をまずクリアーしなければ何も進まない。が、どうやって解決したらいいのだろう?
介護職など専門職の人はそれなりの教育訓練を経ているからいいが、一般の「認知症家族」は試行錯誤の上、各自の奮闘努力で乗り越えるだけ。
うまく乗り越えられたらいいのだが、能力格差も運不運もある。
「施設から在宅へ」を推進する政府は「認知症の介護の困難さ」を無視しているとしか思えない。誰にでもできることではないのだから。
「認知症家族」への援助がもっともっと必要だと思う。
家庭での介護は「家族だからよくわかる」というのが利点だ。認知症の場合、この利点がない。「家族でも本人の考えがわからない」から。
家族による介護が必ずしもベストだとは言えない、その理由でもある。