ケアマネージャーさんを選べないのが。。。。。
介護が必要な人が増えると、介護の質が下がる。
粗製乱造という言葉がある。急激に需要が増えた場合、大量に作るので品質が悪くなるものだ。あわてて生産した商品は不良品も多い。
商品と介護サービスを同じ土俵にあげて比べるのはどうかと思うが、介護でもこの数年「激増する需要に供給が追いついていない」状態だから。
うちのおばあちゃんは今のケアマネージャーさんで六人めだ。
十数年前、近所の調剤薬局の店主が最初の担当だった。薬剤師の経験は数十年だが、介護経験があったかどうか。
その人が突然ケアマネージャーの仕事をやめるというので、次に訪問介護事業所のケアマネージャーさんが担当になった。
この人も認知症については何の助言もしてくれなかった。
そして三人めが老人マンションのケアマネージャーさん(初代)だが、この人にはお世話になったし、たすけてもらった。今でも感謝している。
が、三年もしないうちに転勤。二代めの人もまた三年未満で転勤、老人マンションに入居六年で二回も交代し、三代めになっていた。
この交代を経て、同じケアマネージャーで同じ会社の所属でも、個人的なレベルの差が大きく、それによって介護の質が上下するものだとわかった。
初代が最高で、二代めは普通、三代めの人は言いようがない。
レベルがどんどん下がっている。若くて経験が少ないというだけでなく、熱意や創意工夫が感じられない。マニュアルにない対応は一切ない。
「できません」や「前例がないから」ですます。それが最も簡単だから。本人や家族への思いやりがあったら、「何か解決法を・・」となるはずだが。
若くて経験不足でも、熱心で問題から逃げずに解決しようと努力してくれる人もたくさんいる。今までにお世話になった介護職の人の中には。
そうでない人というのは介護職に向いていないのか、この仕事に対する意欲、向上心が低いのかで、年齢や世代による問題ではないと思う。
需要に供給が追いついていないからなのだろうか。
他に仕事がない時代で「しかたなく」介護職についた人もいるだろうし、採用側も「人数確保」が第一で適性を無視しているかもしれない。
そういうわけで老人マンションを出るにあたって未練は何もなかった。もし初代のケアマネージャーさんが残っていたら退居しなかったと思うが。
ヘルパーさんはというと、とても親身になって世話をしてくれていた人もいるので、そのまま最期までいられたらよかったと思うこともある。
引越しの荷造りをしながら、不用品をせっせとゴミ捨て場に運んでいた時、ヘルパーさんが手伝ってくれた。45リットルの大袋を四つも。
これから入居するなら親切にするが、出て行く人には普通は冷たい。場合によらず困っている人を助ける、それこそが本当の思いやりだ。
引越し当日は日曜だったので、ケアマネージャーさん(三代め)は休みだった。もちろん、見送りに来てくれると思ってはいなかったが。
ケアマネージャーさんも介護施設も選べない、それがつらい。