寝たきりでは排便しにくい。。。。。。
寝たきりでは便が出ない。
うちのおばあちゃん(83歳、要介護5)は元々便秘とは縁のない人だった。どちらかというと下痢するほうで、毎日出ないなんて考えられない。
毎日出るのが普通で、一日でも出ないとなると本人にとっては異常事態。下剤やら浣腸やらで何としても出す、そういう人だった。
脳が壊れると便秘になるのだろうか。それとも、認知症によるバランス障害で歩行困難になり、運動不足だが、それが原因だろうか。
認知症だと水などを飲んだか飲まないかも忘れているし、のどの渇きを感じる機能も低下し、水分補給が不足しがちだ。それも原因だろう。
認知症が中期になり、歩行困難もひどくなるとトイレがまにあわなくなった。それからはオムツだが、「排便はトイレでないとできない」と本人が言う。
車椅子の生活になっても、便の時はナースコールして、ヘルパーさんにかかえられてトイレまで歩いていた。二メートル程だが。
「寝たままでは便が出ない」と言う。確かにそうだろう。上から落とすという重力に頼ることができないから、筋力の衰えた高齢者では。
また「オムツに排便」というのは気持ちの悪いものだ。本人が嫌がるのは無理はない。以前ネットで公開された「オムツ排便体験記」を見たが。
そして寝たきりになった今はというと、便は出ない。水と下剤を注射器のようなものに入れて胃ろうに注入してもらっている。
手足が動かなくなって、立つこともできない今は、車椅子に乗せるのも二人がかり。本人の「トイレで排便」という最後の願いもむなしくなった。
そんな普通のことが、できて当然のことが、もうかなわない。
本人の気持ちを思うと。「何もかもわからなくなっている」のならいいが、わかっている時もあり、長い会話ができる時もある。
普通のことが普通にできる、それが何よりの幸せなのだ。幸せな時にはそのことに気がついていない、それで不満を言う。
普通に暮らしていけることの有難さ、日々それを思う。